学校法人溝部学園(溝部仁理事長)は総合防災訓練を10月24日午前11時10分、学園全体で行い、園児・生徒・学生・教職員・野田地区住民など約1500人が参加した。
緊急地震速報による地震に加え、それに伴う津波の発生に対する避難行動の実践、負傷者の救助などの対応を学園全体で行い、幼児、園児、生徒、学生、教職員などの迅速かつ安全な避難の徹底と、各部門横断的な役割分担の確認により、防災意識の向上を図る。
マグニチュード8の「南海トラフ巨大地震」が発生し、別府市内全域に震度6強の揺れを観測。85分後に高さ10㍍の津波が押し寄せる―と想定。
「南海トラフ巨大地震」発生の館内放送が午前11時12分、流れて非常ベルが鳴った。ひめやま幼稚園では、園児が机の下に素早く移動し「ダンゴムシのポーズ」をとり、落下物から頭を守った。
揺れがおさまったとして、園児は第1避難場所の運動場に移動した。高校生、短大生、歯科学生、教職員、事務職員、野田地区の近隣住民も運動場に集まった。第1次避難場所で全員の点呼を行い、逃げ遅れによる不在者がいないかやけが人の確認を行った。
溝部理事長が「5分ちょっとで全員が避難し、私語なく集まりました。東日本大震災が起きたとき、宮城県では多くの人が犠牲になりました。訓練をしていることは、いざというときに役立つと思っています」。
別府市消防署亀川出張所員3人、別府市消防本部予防課3人を代表して、亀川出張所消防隊の白石夏輝さんは「今日の訓練ですが、高校生は私語なくすごく良い避難でした。実際に地震が起きたら、押したり、私語をしないでください。今後30年で70%の確率で南海トラフ地震が来ると言われています。いつ地震が起こるか分からない状況で、この訓練を生かして学校にいれば素早い避難をしてください。家にいるときは、家族を守りつつ自分の命も守ってください」とそれぞれ講評した。
続いて、情報係が携帯ラジオで「津波発生」の情報をキャッチしたとして、避難者全員を第2次避難場所の校舎内に避難するための避難経路などを確認するため、トランシーバーを持った3人を含む教職員6人が先遣隊として状況調査などに向かった。先遣隊から「安全」との連絡が入ったことで、第2避難行動を開始し、避難が完了し終了した。