鉄輪愛酎会が年間最優秀句を決定

最優秀句に選ばれた押谷隆さん(左から2人目)

 湯けむりと酒と俳句を愛する鉄輪愛酎会(河野忠之会長)は「第30回年間最優秀句 句碑除幕式」を30日午前10時30分、鉄輪御幸町の大谷公園で開催した。
 第30回年間最優秀句に選ばれた押谷隆さん(74)=別府市河内=が詠んだ「炎帝に 挑む孤高の 湯のけむり」とと書かれた句碑と、選者の甲斐梶朗さんの記念句碑「湯けむりの 句碑に降り積む 名残雪」を一緒に除幕した。続いて、河野憲勝永福寺住職が読経し、参加者が焼香した。
 河野会長が「平成4年8月1日から始めて、令和4年7月31日まで30年間活動してきました。句碑は34基、作りました。このような活動ができて、光栄です。押谷さんだけが2基目の句碑となります。鉄輪の情景を移したものができたと思います。いろんな人の力があったから、今日までのことができました。鉄輪のいろんな場所に句碑ができました」。
 選者の甲斐梶朗さんは「鉄輪湯けむり散歩が始まって、30年が経ちました。倉田先生が亡くなったときに『鉄輪湯けむり散歩』を終了しようとしましたが、俳句の筒の中に多くの俳句がありましたので、続けることになりました。それから選者をすることになりました。今回が最後の選になったのですが、私の胸に飛び込んできたのが今回の最優秀句でした」、最優秀句の押谷さんがそれぞれ述べた。
 来賓の長野恭紘別府市長が「鉄輪の地で30年、素晴らしい活動をしていただいて、多くの人の癒やしになったと思います。すんでいる人の心の勇気になったと思います。この活動を残していけるように皆さんと力を合わせていきたいと思います」、浜田博顧問(前別府市長)、嶋幸一県議、松川章三市議がそれぞれあいさつした。
 記念撮影後、押谷さんは「第2回の句碑になっており、今回で2回目。最後の記念すべき年に選ばれてありがたい。倉田紘文先生が亡くなって8年になる。先生を40年間、師事してきました。先生の精神や思いを引き継ぐことで恩返しになると思っています。今後、納得する一句ができれば。鉄輪には感謝しかない。最後の句を見て、皆さんに勇気と希望を与えられればと思う」と話した。
 今回の除幕式で鉄輪俳句は30年の歴史を閉じる。