にじのひろばホームスタート10年

10周年を迎え、活動するビジターへの感謝の会が
行われ、ビジターが体験から思いを語った

 別府市光町の地域子育て支援センター「にじのひろば」(村田広子代表)は、家庭訪問型子育て支援(ホームスタート)10周年記念の研修会と実際に訪問を行うホームビジターへの感謝の会を15日午前10時、おひさまパークで開催した。
 ホームスタートは、子育て経験者が研修を受け、ボランティアで未就学児がいる家庭を週に一度2時間程度、定期的に訪問し、友人のように寄り添いながら「傾聴(話を聴く)」「協働(育児や家事を一緒に行う)」などの活動をする。地域子育て支援拠点事業に出てこない親、出てこれない親や養育支援訪問事業で対応できないグレーゾーン(気になる)家庭、乳児家庭全戸訪問事業で子育て困難家庭ではないが気になる家庭を支援する。親の精神的な安定や育児の悩みを解消し地域へ踏み出して他の支援や人々とつながるきっかけづくりも応援している。「にじのひろば」は、別府市からの委託を受けて、事業を展開。これまで多くの家庭に訪問し、日本人だけではなく、外国籍のお母さんたちの支援もしてきた。
 研修会では、土谷修おおいたホームスタート推進連絡会議会長が「届ける支援、ホームスタートの輪」、高崎山自然動物園の下村忠俊さんが「サル社会に学ぶ子育て」と題して、それぞれ講演を行った。
 感謝の会では、村田代表が「行政の力を借りて、ビジターさんの力を借りて運営ができています。ビジターさんは宝。10年の節目に集っていただいて、ありがとうございます」とあいさつ。ビジターを代表して、1期生の上本満里子さん(71)が「感謝の会と言いますが、私たちこそ、感謝したい。このような活動に参加させてもらい、ありがたい。新しい経験をし、楽しく活動が出来ています。体力と気力のある限り、参加させてもらうことを楽しみにしたい」と述べた。
 参加したビジターの思いを聴く場面もあり、ビジターからは「以前訪問した家の子どもが大きくなって出会い、楽しみがある」「最初は不安な気持ちだったが、楽しい10年だった」「普通の家庭に入るということがないので、学びになった」「目の前にいる母親を見ていて、大変だなと感じることが多かった」「訪問を重ねるごとに、家の中の雰囲気が変わるのを感じられた」「子育てに少しでも力になりたい」などそれぞれ活動年数は違うものの、「子育てに少しでも力になり、孤立する家庭を減らしたい」という思いが伝わった。