「名誉市民」の遺族が訪問

訪問した(右から)稲尾市教育部次長、
佐藤一生さん、荒金大琳市美術協会長と檜垣館長

 別府市名誉市民の遺族が8日「名誉市民展」が開かれている市立図書館を訪問。檜垣伸晶館長に展示のお礼を言い、昔を懐かしんだ。
 訪れたのは▽荒金啓治元市長の孫荒金大琳別府市美術協会長(75)▽元西鉄ライオンズ投手・稲尾和久氏のおい稲尾隆市教育部次長(61)▽佐藤文生元郵政大臣の長男佐藤一生さん(77)の3人。
 荒金元市長は、1巡目大分国体の開催が決まったとき観光客増加が見込まれ、別府市は人口増加期にあったことから、大分川上流からの取水拡張事業を手がけ、安定した上水道を確保した。
 稲尾氏は昭和の大投手で1958年の日本シリーズで4連投し、3連敗からチームを日本一に導き「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれた。
 佐藤氏は、運輸政務次官当時、日航機ハイジャック事件が発生。政府代表としてパレスチナゲリラと人質解放交渉にあたり、乗客全員を無事救出した。国会議員のバッヂをはずしてから、湾岸危機が発生、佐藤氏はイラクの首都バグダットに乗り込み、中曽根元首相ら自民党議員団を呼び寄せる下交渉にあたり、結局、法人全員を無事救出。二度にわたる人質救出で「アラブの文ちゃん」と呼ばれた。
 荒金市美術協会長は「名誉市民展は少し気はずかしい気もします。啓治さんは僕を『先生』と呼んでくれたもんです。やさしい人で、悪口を言うのを聞いたことがない。市職員から、市長室に呼ばれ仕事には厳しいが、市長室を一歩出ると、とてもやさしかったと聞いたことがあります」
 稲尾教育部次長は「展示は親族としてありがたい」
 佐藤一生さんは「展示は大変よくまとまっており、ありがたい。息子として気はずかしいところもありますが、檜垣館長に感謝します。佐藤文生を知る人は少なくなっていくでしょうが、これらの記録は残ってゆくことでしょう」とそれぞれ語った。
 檜垣館長は「見学者は多く、皆さん足を止めてじっくり見ています。3人しかいない名誉市民の人生にふれてほしい」と話している。