大分県知事選挙期日前は過去最高

新たな知事に当選して万歳三唱をする佐藤氏(中央)

 統一地方選挙の前半戦となる大分県知事選挙と大分県議会議員選挙が9日、投開票され、大分県知事では、佐藤樹一郎氏(65)が27万1400票を獲得し新しい大分県のリーダーに選ばれた。安達澄氏(53)は20万2623票を獲得したものの、及ばなかった。投票率は、51・45%で4年前と比べると4・04ポイント上回った。期日前投票者数は19万4167人で、前回よりも3万6100人増え、期日前投票率は20・53%となり、過去最高だった。
 5期20年、大分県政を牽引してきた広瀬勝貞知事が引退を表明。参議院議員だった安達氏は任期途中で議員を辞任して、知事選に挑んだ。その後、大分市長だった佐藤氏も広瀬県政の継承と発展を掲げて立候補を表明。以来、佐藤氏は全市町村に後援会支部をつくり各界の支援を受け、自民党と公明党県本部の推薦も受けて選挙を展開した。
 安達氏は、特定の政党などに支援は求めず「完全県民党」として、草の根選挙を展開し、民間での経験や感覚を生かして、支持を拡大。佐藤氏を猛追したものの、県民は、佐藤氏の2期8年の大分市長としての行政経験や国、各市町村との連携といった安定感を選んだ。
 開票作業がはじまる少し前に、大分市内のホテルに佐藤氏も姿をみせて開票作業を一緒に見守った。吉村恭彰総合後援会長が「長い戦いが終わろうとしています。支えてくれた皆さんに感謝をしています」とあいさつ。
 開票がはじまるとすぐに当選確実が出て、会場からは大きな拍手が起こり、多くの花束が佐藤夫妻に贈られた。佐藤氏は「沢山の方に応援していただき、本当に心から感謝をしています。皆さんにご支援をいただいたことで、選んでもらえたことをありがたく思います。広瀬知事が一生懸命引っ張ってきた県政を大きく発展させていきたい。農林水産、観光、災害に強いまちづくり、子育て支援など様々な課題があります。国、県、18市町村が連携して、皆さんの付託に応えるべく、粉骨砕身取り組みたい」と喜びを語った。
 姫野清高総合選対本部長の発声で万歳を三唱。広瀬知事も駆けつけて、当選を祝った。