6日に告示された参議院大分県選出議員補欠選挙、16日に告示された別府市長選挙及び別府市議会議員選挙が23日、投票が行われ、即日開票された。
参議院補選は、届出順に自民党新人の白坂亜紀氏(56)と立憲民主党元職の吉田忠智氏(67)が立候補し、与野党の一騎打ちの構図に。白坂氏が341票差で競り勝った。結果はほぼ全てが開票されるまでもつれる大接戦となった。一方で、投票率は、42・48%で、過去最低となった。
野党系議員の辞職に伴う選挙で、議席を奪還したい自民党は、竹田市出身で、東京で飲食店経営などで活躍をしている白坂氏を公募で擁立。自民党総裁でもある岸田文雄総理ら党幹部や著名な国会議員が次々と来県して、強力に支援。
吉田氏は、立憲民主党の代表を務め、参議院の比例代表議員だったのを辞職して選挙区にくら替え。背水の陣で臨んだ。泉健太党代表をはじめ、党幹部が大分県入りして、テコ入れを行った。開票速報では、途中まで白坂氏が優勢だったが、大分市の開票が終わると、吉田氏が逆転。見守り会場は一気に沸いたが、最後まで残っていた中津市の開票が進むと、再び、形成が逆転。最終的には、白坂氏が当選となり、自民党は失った議席を取り戻した。
別府市長選挙は午後8時の投票が終了するとほぼ同時に、現職の長野恭紘氏(48)が当選確実を決めた。告示直前に、市民活動家の小手川裕市氏(55)=無所属、新=が立候補を決め、選挙戦となった。市民の選択は現職だったが、小手川氏も1万1票余りを獲得し、批判票の受け皿となった。
市内のホテルで開票を見守った長野陣営は、瑞木一博後援会長があいさつ。大分県知事に当選している佐藤樹一郎氏、岩屋毅、衛藤征士郎両衆議院議員、広域圏で一緒に取り組みをしている、永松悟杵築市長、本田博文日出町長らが祝福。別府商工会を代表して、西謙二氏の発声で万歳を三唱した。
長野氏は「改めて身の引き締まる思いです。選挙となって1週間戦ってきましたが、幸せな選挙にかかわらせてもらった。多くの市民にお会いし、皆さんからパワーをいただきました。絶対にがっかりさせない、選んでよかったと思ってもらえる、素晴らしい別府を引き渡していけるよう、具体的に歩を進める。お叱りは真摯に受け止め、謙虚な気持ちで市政運営をしていきたい」とお礼を述べた。支援者やスタッフから花束を受け取り、訪れた支援者と喜びを分かち合った。
白坂氏僅差で勝利
参議院大分選挙区補欠選挙で自民党公認で新人の飲食店経営、白坂亜紀氏(56)=公明党推薦=のもとに24日午前0時21分、大分市のホテルに当選確実の一報が届いた。
投票箱が閉じた23日午後8時から、続々と白坂氏の支持者が会場に入った。
県内の各所の開票状況が決定すると、白坂氏がリードしていった。午後11時54分、大分市の開票状況が確定し、中津市の開票が進むと、白坂氏が292票差。そのまま24日午前0時21分、中津市の開票が確定し341票の僅差で勝利した。
白坂氏が同日午前0時24分、涙を浮かべながら会場に入った。
総合選対本部長の古庄玄知参議院議員が「わずか1カ月前、マイナスからのスタートでしたが、自民党の勢力を挙げて盛り返していただき、最後の最後に勝つことができました。これは皆さんのおかげ。白坂氏の実力のおかげです」とあいさつすると会場に大きな拍手が鳴り響いた。
万歳を三唱した白坂氏は「感激で胸がいっぱいです。まったくの新人を支えてくださった皆さん、応援してくれた故郷大分の皆さん、ありがとうございます。岸田総理を始め、多くの国会議員の先生が大分に入り応援演説をしてくれました。公明党の皆さん、自民党の皆さん、国会議員、県議、市議の先生方が経験を惜しみなくくださり、教えてくれました。皆さんと握手をした手の温かさや思いをしっかりと受け止めました。この熱を必ず形にしていきます。全身全霊、大分のため、日本のために頑張ってまいります」と力強く決意表明をした。
その後、壁村雄吉後援会長、衛藤晟一大分1区選対本部長、衛藤征士郎大分2区選対本部長、岩屋毅大分3区選対本部長がお礼のあいさつをした。
吉田忠智氏341票差に涙のむ
吉田忠智陣営は、大分市内で開票を見守った。終盤になって吉田氏が会場に入り、みんなとここまでの健闘を讃え合った。一時はリードする場面もあったが、最終的には落選。比例代表としての参議院議員を辞職して挑んだ選挙だっただけに、全体に悔しさがにじんだ。
吉田氏は「すべては、私の力不足。皆さんには、つながる力で頑張っていただきました。皆さんのご尽力に報いることができなかった。不徳の致すところ。誠に申し訳ない」と深々と頭を下げた。
今後については「私自身のことも含め、今後、考えていきたい」と答えるにとどめた。