漬物グランプリ2023で金賞受賞

漬物グランプリ金賞などを受賞した永野衣祝さん(右から3人目)
審査委員特別賞も受賞した「パリポリくろちゃん」

 別府大学食物栄養科学部発酵食品学科2年の永野衣祝さん(20)が4月29日、全日本漬物協会組合連合会主催の「漬物グランプリ2023」学生の部で金賞と審査委員特別賞を受賞した。
 「学生の部」は今回から新設されたもので、全国から26作品の応募があり、8作品が金賞を受賞した。金賞受賞は大分県初、九州初となった。
 入賞報告会を5月2日午後0時15分、別府大学36号館3階食品衛生学実習室で行い、永野さん、大坪素秋・別府大学食物栄養科学部発酵食品学科教授、三浦好徳・別府漬物有限会社代表取締役社長兼つけもの王子が出席し、陶山明子・同学科長が司会を務めた。
 大坪教授が入賞の経緯や報告を行った。
 永野さんが「こんな大きな賞をいただけるとは思っていなくて、とても嬉しいです。今までも発酵食品学科の先輩たちが出品していましたが、一次審査で落選していました。私がこんな大きな賞をもらえるとは。『パリポリくろちゃん』には大分の魅力を込めたいと思い、くろめとシイタケパウダー、かぼす果汁などを入れて大分を表現しました。若い人にも漬物を楽しんでもらいたいと思い、ミカンを入れて可愛らしさを表現しました」。
 三浦社長は「毎年1月中旬にここで漬物の実習などをしており、漬物グランプリを紹介しています。今回『学生の部』が設けられて、市販の調味料を使って商品化するというルールでした。彼女の思い、地域性、色合い、エピソードを最大限引き出すために一翼を担えたのは嬉しい限り」とそれぞれあいさつした。
 友永学長が「漬物は日常的に食べていますが、奥の深い料理です。物作りの面白さは、学問研究の動機の最も大きな部分。全国的な大会で上位の賞を受賞したことは、喜ばしい。大学の評価は、大学生や卒業生が社会から評価されることと思っています。永野さんの受賞は、大学にとって誇りであり名誉なこと」とお祝いの言葉を述べた。
 記念撮影後、関係者らは試食をし「拍子木切りにした県産のキュウリ、ダイコン、ニンジンを使い、異なる歯ごたえが文字通り『パロポリ』していて良かった。くろめにトロトロ感があり、カボス果汁のさっぱり感、ミカンの甘さなどの味わい、風味が良い」との声があった。
 インタビューで永野さんが「表彰式で会長が『SDGsに特化した作品と地域性を重視した作品から選びました』と言っていました。『パリポリくろちゃん』は、さっぱりしていて程よい酸味もあり美味しい。漬物を通して、今後の飢餓問題などに対策できるようなものを考えたい」と話した。