コロナ禍で乗務員不足

タクシー業界の苦境を話す下森正也社長

 いま、別府で「タクシーがつかまらない」という事態が起きている。コロナ禍で乗務員が減ったのが原因だそうで、観光地だけに問題は大きい。みなとタクシーグループの下森正也社長(別府市タクシー協会副会長)に事情を聞いた。
 みなとタクシーはピーク時に250台を擁し、うち別府営業所は98台。しかし台数は減り、現在はグループ全体で121台、別府営業所は67台になった。コロナ禍もあり、ピーク時に別府営業所に240人いた乗務員は現在60人と大幅に減少した。これを80人にしたい考えだ。ところが、高齢の乗務員が多いため、コロナ禍の3年間仕事を休むと、もう会社に戻ってくれないという。
 金土曜日の週末は利用客が多いが、問題は月火水曜日。平日の人出が増えれば乗務員も帰ってくるとみる。
 乗務員を確保するため、「みなと」ではインターネットやアプリを使ったり、広告を打って求人募集をしている。固定給プラス歩合制を取り入れているため給料はいいと強調。高齢者はじめ、30代、40代の若い人材を求めている。
 乗務員不足は「みなと」だけでなく、業界全体の問題。どの会社もコロナ前と比べ、乗務員数は20%落ちているそうだ。
 下森社長は「タクシー文化をなくすより、上手に利用してもらう方が地域・住民のためになる。2種免許取得費用の一部補助を別府市にお願いしている」と話す。