大分県教委が「夜間中学」模擬教室

「気軽に参加してほしい」と県教委の担当者

 大分県教育委員会は、様々な事情で中学校に通えず、「学びたい」「学び直したい」と思っている人を対象に「夜間中学模擬教室(体験説明会)」夏季を7月に県内6会場で行う。授業料は無料。
 「夜間中学」は、戦後の混乱期で就労や家事手伝いによって学校に通えない子どもたちに義務教育の機会を提供することを目的に、昭和20年代初頭に設けられた。現在は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した人や不登校、ひきこもりなどで学校に通えなかった人たちを対象に行われているが、大分県では実施されていない。
 平成28年12月に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が成立し、地方公共団体は、夜間中学における就学の機会の確保そのほかの必要な措置を講じるものとされている。文部科学省は「夜中を全国に!」を合言葉に、設置・充実を地方公共団体に促している。令和3年には、当時の菅義偉総理が「5年間ですべての都道府県、指定都市に夜間中学が少なくとも1つ設置されることを目指す」と発言している。
 大分県でも、設置に向けてニーズ調査を行ってきたが、アンケートの回収率も低く、関心が薄い状態。そのため、体験をしてもらい、ニーズ把握を行おうと企画した。
 6会場とも2日間実施し、午後5時半集合、同6時授業開始。居住地以外の場所でも受けることが出来る。会場は、各教育事務所で、大分会場のみコンパルホール。
 対象は、県内在住で4月1日現在で16歳以上の人であれば年齢に上限はないが、すでに高校を卒業している人は対象外。外国籍の人で出身国で義務教育を修了していない人も対象だが、日本語を教えるための教室ではないので注意を。それ以外でも、参加希望者は、一度問い合わせを。
 希望者は、23日までに申し込みを。詳しい案内は、県教委のホームページからも見ることができる。問い合わせは、義務教育課(電話097・506・5512)へ。各会場の日程は次の通り。
 ▽中津会場=10、11日▽別府会場=13、14日▽大分会場=18、19日▽佐伯会場=27、28日▽竹田会場=20、21日▽日田会場=6、7日。