29日で凄惨なひき逃げ事件から1年

 今月29日で「死者1人、ケガ1人を出した『ひき逃げ事件』」が1年を迎えるにあたり19日、今日新聞社に「大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会」よりご遺族の母親のコメントが届いた。(以下は要旨)
 どんな子だったかについて「小さい頃はやんちゃで負けん気が強く、友だちともトラブルになることも度々ありました。その度に私は、言われた相手の気持ちになって発言するように何度も言い聞かせました。あなただけが夢を追いかけることはママは許さないよ、と。そう言い聞かせているうちに息子はどんどん成長し、サッカーに夢中になり、喧嘩をしないようになっていきました」
 「小学校の頃から近所にはたくさんの幼馴染がいました。その中にハーフの友だちも複数いて、その影響で海外サッカーや洋楽、洋画にも興味を持ち始めました。小学校の頃は学年関係なくいつも校庭でサッカーを楽しみ、家にはたくさんの友だちが遊びに来ました。中学校になるとますますサッカーにのめり込み、高校になると更に多くの友だちが家に泊まりに来るようになりました。卒業してその友だちが全国、世界へと散らばり、すごい人脈となっていることを嬉しそうに話していました。大学に入ると勉強の傍ら、幼馴染と日本全国47都道府県の名所をめぐる旅行を楽しんでいました。2023年春から予定していたアメリカ留学までには、全国制覇する計画を立てていました」
 「大切にしていた言葉は、最初に通ったサッカーチームの恩師の言葉『がんばるやつはかっこいい』。自分で決めたことは全て頑張りました。そして、次の目標『世界で活躍する経営者』を目指して頑張っている最中でした。本当に心の優しい、頑張り屋のかっこいい息子でした」。
 警察や容疑者に思うことは「警察の皆様、お願いです。とにかく早く捕まえてください。八田與一容疑者がどれだけ残酷で危険な人物かあなたたちはご存じでしょう。これから起きるかもしれない犯罪を食い止めることに全力を尽くしてください」。
 八田容疑者へ「私たちは絶対に逮捕を諦めないし、警察にも諦めさせません。これまであなたに苦しめられた被害者を代表して闘い続けます。息子の奪われた未来は帰って来ることがありません。どんなことをされても許しません。厳罰を求め続けます」。
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 同会事務局長のコメントは以下の通り。
 事件から29日で悔しくも1年を迎えようとしています。大分県警の精一杯の捜査も虚しく、未だに犯人は捕まらず、遺族、「早期解決を願う会」共に憤りを持つ毎日を過ごしております。
 この事件を風化させず、また新たな情報収集にむけて、広く全国民への周知、全国の警察の方柄に意識して捜査ご協力頂きたく、先日、代表取材を行いました。