明豊野球部が県大会優勝を市長に報告

長野恭紘別府市長に甲子園出場報告をする西村元希主将(左)ら3人
八幡朝見神社で玉串を捧げて必勝を祈願する西村元希主将

 阪神甲子園球場で8月6日から行われる第105回全国高校野球選手権記念大会に出場する明豊高校野球部は、長野恭紘別府市長への出場報告・表敬訪問と必勝祈願を行った。
 出場報告は28日午後2時、別府市役所で行われた。
 市長応接室につながる廊下に優勝旗などを持った西村元希主将、森山塁副主将、義経豪副主将の3人、川崎絢平監督、篠川拓也部長、岩武茂代校長が登場すると、長野市長をはじめ出迎えた職員から大きな拍手が贈られた。
 別府市からは長野市長、大野高之いきいき健幸部長が出席した。
 川崎監督から大分県大会の振り返りと甲子園出場について「県大会は準々決勝まで順調に勝ち上がり、準決勝は大分舞鶴、決勝は大分商業との対戦でした。『倒して行け』とと思いました。みんなで乗り越えてきたので、今年の優勝はすごく感慨深いものがありました。別府市の多くの人の応援、日ごろから別府市民に温かく見守っていただいたおかげだと思います」と報告があり、長野市長から西村主将にスポーツ奨励金が贈呈された。
 歓談で長野市長が「見ている方も苦しい感じがしました。大分大会では史上初の3連覇を成し遂げました。最後の最後で勝ちきれることが、本当の強さかなと思いました」。
 大野部長は「明豊は歴史があり、何回も甲子園に出場している。最初はいろんな地方から選手が来ているので批判的な意見があった。明豊が甲子園に出てくれることが嬉しいし、出ないときは寂しい」とそれぞれ述べた。
 西村主将は「県大会の準決勝、決勝と苦しい試合でしたが、自分たちも仲間の思いもあり、強い気持ちで毎日練習した結果が冷静に勝負できたと思います。県大会の優勝で満足せず、しっかりと準備して甲子園でもしっかりと勝って、多くの人に恩返しが出来るようにしたい」。
 森山副主将は「3年生だけでなく1、2年生も合わせた明豊全員で勝ち取った優勝だと思いますので、甲子園で勝負して別府市に良い報告ができるように頑張ります」。
 義経副主将は「春から県内で2回負けており、3回目は負けられないという気持ちと最後の夏ということで、甲子園ではもう一段階レベルアップし、甲子園で勝てるバッテリーをめざしてこれからも頑張っていきたいと思います」とそれぞれ話した。
 表敬訪問終了後のインタビューで西村主将は「県大会では投手陣が粘ってくれて最少失点で勝ち進んだことが優勝の最大の要因。打者もつなぎの野球ができた。自分たちが積み重ねてきたことをすべて県大会で出せた。いろんな状況に応じての練習をしてきたので、練習の成果が出せた。明豊野球部全員で勝ち取れた優勝だと思います」
 「明豊の強みは粘り強い野球なので、甲子園でも強みを出して多くの人に喜んでもらえるように戦います。目標は日本一ですが、明豊の夏の最高成績がベスト8なので、それを超えるベスト4、ベスト4が見えてきたら日本一を目指せる。私たちの代が県大会3連覇と歴史を塗り替えたので、今度は明豊の歴史を自分たちの代が塗り替えられるように頑張ります。打線に上位、下位はなく1番から9番までがつなぎ、着実に点を取っていきます」と話した。
 必勝祈願は29日午前7時30分、八幡朝見神社で斎行し、部員、指導者、学校関係者ら26人が出席した。
 神職が選手らの健康や甲子園での健闘を願った祝詞を読み上げた。嘉月勝治副校長(校長代理)、篠川野球部長、川崎野球部監督、西村主将が玉串を捧げて、甲子園での勝利を祈った。
 必勝祈願が終わり、西村主将に「必勝の木札」を手渡した神宮司が「大分県大会史上初の3連覇、おめでとうございます。これからが本番。身体に気をつけて、真紅の大優勝旗を『いで湯の町別府』に持って帰ってほしいと思います。頑張ってください。春は準優勝まで行っているので、夏の真紅の大優勝旗とお札を持って神様に報告してほしい」と選手らにエールを送った。
 川崎監督は「大分県代表として出場するので、簡単に負けて帰ってはこれない。夏の大会の最高がベスト8なので、それ以上をめざしたい。県大会3連覇という今までの記録を打ち破ったので、次は野球部の記録を塗り替えたい。県大会で足りなかった部分を補充しないと、簡単に勝てるほど甲子園は甘くない。もう一度気持ちを入れて、修正するところは修正していく状況。投手は中山、森山が安定している。しっかり守って、少ない失点の中でそれ以上の点を取る。昨年の甲子園を経験したメンバーもいるので、甲子園でも活躍ができると思う。どこからの打順からも得点が取れるので、少ない好機を逃さないようにしていく」と話した。
 明豊野球部はこの後、火男火売神社でも必勝祈願を行い、甲子園での勝利と同部の歴史を塗り替える戦いの準備を行った。