要保護児童対策地域協議会の合同会議

昨年度の実績や
相談件数などについて報告を受けた

 別府市要保護児童対策地域協議会合同会議が28日午前10時、市役所で開かれた。年に1度、支援が必要な子どもたちの活動をしている関係者が集まり、情報を共有している。約70人が出席。
 協議会長の長野恭紘別府市長が「全国的に虐待相談は増えており、重篤なケースもニュースでみることがあります。別府市では、妊娠期から包括的に切れ目なく支援する体制が必要ということで、『こども家庭センター』を設置しました。連携して支援することが肝要だと思います」とあいさつ。
 議事に入り、令和4年度の事業実施報告、令和4年度の児童相談の内容と傾向、令和5年度の事業実施計画について審議、承認した。
 令和4年度末の実務者連絡会における共同管理台帳のケース数は、継続が236件、新規が27件となっている。また、社会的孤立を防ぐため、毎月実施している乳幼児健診のうち、1歳6か月児と3歳5か月児の健診を受診せず、認可保育所や認定こども園などに通っていない子どもがいる家庭に、主任児童委員と子ども家庭総合支援拠点・光の園の職員が一緒に家庭を訪問する事業では、1歳6か月児健診では6人を訪問し、うち1人が不在だったが、訪問後受診をした。3歳5か月児健診では10人を訪問し、うち1人が不在だったが、転居を確認した。短期支援のショートスティ(1週間以内)は98人が延べ336日利用。トワイライトスティ(平日夜間や休日)48人が延べ72人利用した。
 児童相談は、520件。うち、養護相談479件、非行相談3件、育成相談37件、その他1件だった。養護相談のうち、虐待相談は282件。心理的虐待が119件と全体の42・2%と最も多く、身体的虐待90件、ネグレクト(育児放棄)72件、性的虐待1件だった。就学前の子どもが120件と多く、小学生103件、中学生42件、高校生・その他17件と、年齢が低いほど被害を受けている実態が浮き彫りになっている。虐待者は実母が125件と圧倒的に多い。実父62件、実父以外の父21件、その他74件となっている。
 5年度は、実務者連絡会や個別ケース検討会議を開き、これまでの訪問事業、短期支援事業、見守り強化、里親リクルート地域連携事業、弁護士による専門相談などの継続や、別府子ども福祉塾を再開させるなどに取り組む。
 近年、社会問題となっている、ヤングケアラー支援体制の強化も行う。ヤングケアラーは、児童・生徒が、親や幼い弟妹などの世話を日常的に行うことで、学業等に影響を与える問題で、家庭内のことで分かりにくく、自らがヤングケアラーだという自覚も少ないため、表面化しにくい問題。専門職としてヤングケアラーコーディネーター1人を今年度から配置し、市内すべての小学4年生から高校2年生を対象に学習会とアンケートを実施する。
 引き続き、河野洋子県中央児童相談所長が「困難な生活環境にあるこどもの支援を考える~児童虐待の現状と課題を中心に~」と題して講話した。