別府市教育委員会が講演会

現代の人権問題について
講演する阿久澤教授

 別府市教育委員会は8月29日午後2時半、市公会堂で令和5年度別府市教育講演会を開催した。
 学校教育の現状と問題を踏まえ、学校教育の推進につなげるための研修。幼稚園や小・中学校の教職員、教育関係者、保護者、学校運営協議会委員などが参加。阿久澤麻理子大阪公立大学教授が「変容する現代社会の部落差別とこれからの人権教育の在り方について」と題して講演した。
 寺岡悌二教育長が「人権については、様々な課題があり、本当に難しいと感じています。幼稚園や学校では、自分がされてイヤなことは人にしない、いじめは断じて許さないという指導をしてもらっています。子どもが安心して安全に過ごせ、お互いに認め合える、思いやりのある学校づくりをしていきたい」とあいさつ。
 阿久澤教授は「私は、人権教育の研究と差別する人(側)の研究をしています。そういうと驚かれますが、差別禁止法は、差別する側の行為を規制する法律なので、差別をする人の研究が欠かせません。2000年には、人権教育・啓発推進法が。2016年には、差別解消3法が施行されましたが、法律が出来るというのは、社会的に必要な状況にあるということ」と、差別問題が社会問題として根強くあることを示した。
 その上で、日本と海外での「差別」の考え方の違いや、同和問題、差別のメカニズムなどについて説明。「差別は、人の属性や特性を理由に、区別や排除をして権利の行使を妨害することであり、差別する側の問題、行為であることが明確になっている」と話した。