別府市は、就学前教育・保育ビジョンの素案を策定し、22日から市民への説明会を始めた。
初回は22日午後7時、市役所で行われ、約30人が参加した。宇都宮尚代こども部長が「子どもに関する支援施策を一体的に推進するため、子ども見守りシステムの構築、子ども医療費助成拡充、ヤングケアラーの支援体制の強化などを進めていきます。また、空調設備の充実、スクールカウンセラーの配置など、保育・教育の充実に努めています。小学校に入る前の大事な時期に、教育・保育の質と両を確保するため、協議会からの提言を踏まえ、ビジョン素案を策定しました。未来志向で方向性をまとめたもの。ご理解をいただき、沢山のご意見をいただきたい」とあいさつ。
中西郁夫こども部次長兼子育て支援課長がビジョン素案について説明をした。別府市の総人口は減少傾向にあり、年少人口も減少する見込みで、教育・保育ニーズに大きく影響することが考えられる。市立幼稚園の現状は、園児数が20人を下回る年度が続いており、園児数は定員の49・8%と半分以下となっている。
正規職員が1人しか配置できない園が半数以上で、年齢構成に大きな偏りがあるのが現状。そのため、運営体制の充実を図るため、現在14園ある幼稚園を段階的に半分の7園にする計画。これにより、職員1人当たりの業務量の負担を軽減し、園児と向き合う時間を確保。1園当たりの教員数を増やせるといった効果が期待されている。
一方で、朝日幼稚園と境川幼稚園で試行的に2年保育(4・5歳児)を実施する。市立保育所は、定員240人に対し、入園児数は9割程度。また、中学校区ごとに変更内容を説明した。
参加者からは「子どもが幼稚園に通っており、自分のところも古い。そもそも構想が出た段階で、地域の意見を取り入れて決められなかったのか」「こども園に移行するとあるが、間に合わないのでは」「小学校も減るのではと心配になる」「発達障害の子が入った時、本当にみられるのか心配」などの意見が出た。
子育て支援課や学校教育課からは「こども園への移行の仕方は様々で、現在の施設のまま移行できる」「特別教育支援員を配置し、個別教育支援をしている」などと答えた。
説明会は10月14日まで6回行う。希望者は、各実施日の2日前までに申し込みを。受け付けは、市公式ホームページから。さらに、パブリックコメントも行っている。