日出町で防災フォーラム開催

能登半島地震で亡くなった人へ黙とうを捧げた
豪雨災害の対応について
語る松谷村長

 日出町防災士会(池部長行会長)は、28日午後1時、日出町中央公民館で「日出町防災フォーラム2024」を開催した。約160人が参加。テーマは「意識・行動・支え合い」。
 近年、頻発・激甚化する自然災害への対応策を検討し、問題や課題を明らかにすると共に、今後の対応策の方向性を考えることや、町民の防災意識の高揚を図るのが目的。
 はじめに、能登半島地震で亡くなった人へ黙とうを捧げた。池部会長が「能登半島地震では、震度7の地震が発生してすぐに津波が来て、火災やインフラの寸断などがあり、27日時点で236人が亡くなり、多くの人が避難所生活を送っています。災害は、時なし、場所なし、予告なしと言われています。日出町でも起きるかもと思ってもらい、課題などを討論したい」とあいさつ。来賓の本田博文町長と三浦正臣県議もあいさつをした。
 第1部は、熊本県球磨村の松谷浩一村長が「令和2年7月豪雨災害の対応と復興への取り組み」と題して、基調講演を行った。球磨村は、農林業を中心とした人口約2800人の村で、日本3大急流の1つである球磨川がある。発災時は、球磨川が氾濫し、すべての集落が孤立。逃げ遅れた25人が亡くなった。「あっという間に水位が上がり、国道や対岸の県道をのみこんでいった。8つの橋のうち6つが壊れ、生活道路でもある国道219号が通れなくなり、孤立した。当初は、避難指示を出していたものの、それほど雨が強くなく、心配していなったが、日付が変わるぐらいから事態は一変した。経験したことがない水位の上がり方だった」と当時を振り返った。また、新型コロナが流行し始めた時期でもあり、感染症にも気を付けながら避難所を運営。
 その後、ムービングハウス(トレーラーハウス)と木造の仮設住宅を併用。災害公営住宅の建設、災害に強い住宅地の提供、住宅のかさ上げなどに取り組んでいる。最後に、災害時の様子や現在の様子をビデオで紹介した。
 第2部は討論会を行い、阿南勝則町防災士会事務局次長、越智好町区長会理事、民生委員児童委員協議会の手嶋大さん、永松サエ子豊岡地区婦人会長が意見発表を行い、助言者や会場の参加者と意見交換をした。