「竹・ルネサンス」実行委員会(岩尾一郎会長)は「第60回くらしの中の竹工芸展」を2月18日まで、別府市竹細工伝統産業会館で開催している。観覧料は高校生以上390円、小・中学生130円。時間は午前8時30分から午後5時。2月5、13日は休館日で、最終日の18日は午後4時まで。別府市、別府竹製品協同組合、大分みらい信用金庫共催。大分県、別府市議会、別府商工会議所、一般社団法人別府市観光協会、別府竹製品卸商業組合、一般社団法人大分県竹産業文化振興連合会、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会、今日新聞社など後援。
初日の30日午前10時30分から、同会館2階で表彰式が行われた。今回は80人が109点を出品した。
表彰式で、岩尾会長らが表彰状を出席した受賞者一人ひとりに手渡した。
主催者を代表して岩尾会長が式辞を述べ、来賓を代表して岩田弘副市長が「昭和39年に竹製品新作展示会として始まり、今年で60回目の開催となります。若い皆さまが伝統的な技術を活かし時代に合った新しいものを作り続けていることに、感慨を覚えるとともに竹工芸の新しい未来に期待を抱いています。別府市としても地域の竹工芸がこれから世界の人々を魅了する伝統産業として発展するよう取り組んでいきます」とあいさつ。
受賞者を代表して「くらしの中の竹工芸展賞(グランプリ)」を受賞した長谷川絢さん(37)=竹田市在住、美術家=が「幅広いジャンルからの応募を受け付け、60回を記念し全国公募を実現され、伝統と変化を体現くださった今回の開催自体が、作家への大きな激励であると感じています。今回の受章を励みに、変化も楽しみながら制作にますます邁進して参ります」と謝辞を述べた。
展示会の期間中、審査委員による審査講評を館内でビデオ上映している。
1階の展示室で、作品の横に立った長谷川さんは「『竹の器と暮らす心豊かな生活』のテーマの中で、私の彫刻作品を評価して頂けて光栄です。次世代バンブーアート賞のファイナリスト展がここで行われます。ファイナリストにならないと展示されないので、選んでもらえる作品を制作しています」と話した。
長谷川さんは神奈川県出身。2009年に京都伝統工芸大学校高度専門課程(竹工芸・編組)を卒業後、青年海外協力隊に参加し、ベネズエラで竹工芸の手法などを教える。その後、展示会などに出展し賞に輝く。くらしの中の竹工芸展では、19年の第55回で別府商工会議所会頭賞、21年の第57回で別府市長賞と特別賞(竹・ルネサンス賞)を受賞して、今回で3回目の入賞。
各賞の受賞者と作品名は、次のとおり。(敬称略、カッコ内は作品名)
▽くらしの中の竹工芸展賞(グランプリ)=長谷川絢(眼差し03)▽大分県知事賞=米澤二郎(chat)▽別府市長賞=大谷健一(パーティのための盛かご)▽別府竹製品協同組合理事長賞=小串照彦(山路編み盛り篭)▽別府竹製品卸商業組合理事長賞=清水貴之(FIT)▽大分みらい信用金庫理事長賞=藤元美月(まるい・しかくい)▽別府市議会議長賞=大谷良三(ティーテーブル)▽別府商工会議所会頭賞=一木律子(春の宴)▽別府市観光協会会長賞=池田義弘(縦型ティッシュケース)▽大分合同新聞社社長賞=吉田草史(星の盛りカゴ)▽第60回記念賞マーゴ・トーマ賞=後藤哲律(蟒)