地方創生推進タイプ7事業を評価

交付金事業について評価を行った

 別府市が第2期総合戦略に沿って実施した事業について、検証・評価を行う、別府市総合戦略推進委員会が26日午後1時半、市役所で開催された。
 安部政信企画戦略部長が「現実を直視して、引き続き第2期総合戦略に沿って取り組んでいくと共に、次期の総合戦略を策定し、長期的な視点から地方創生の充実・強化を図っていきたいと考えています。国の地方再生計画の認定を受けて取り組んだ7事業について、専門的知見からの意見、提言をいただき、施策の改善・見直しを行うとともに、次期の総合戦略の取り組みにもつなげ、地方創生の取り組みを加速させていきたい」とあいさつ。
 委員長に藤本武士氏、副委員長に河村貴雄氏を選任。令和4年度デジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)関係事業について、担当課が説明をした。対象となる事業は▽別府ツーリズムバレー創造プロジェクト▽伝統的工芸品別府竹細工イノベーション推進事業▽すべての世代が活躍できる健康寿命延伸プログラム▽ICTを活用したインバウンド及び国内客誘致受入事業▽持続可能な温泉観光都市への挑戦▽文化観光の推進とアーティスト・クリエイター移住・定住計画▽持続可能な地域を目指す中規模多機能自治区形成事業の7つ。
 委員は、各課の自己評価に対して、妥当かを判断する。評価は、A(基本目標を達成するために、非常に効果的であった)、B(相当程度効果があった)、C(効果があった)、D(効果がなかった)、E(目標の達成は困難であり、見直す必要がある)の5段階で行った。いずれの事業も、コロナ禍の影響が残る中での推進のため、KPI(目標値)に届かないものもあったが、KPI達成率だけではなく、総合的に効果を検証した。
 ツーリズムバレーでは、「人手不足というが、市内には多くの大学生がいて、地元に残す施策がプロジェクトを強くするために必要ではないか」などの意見が出た。評価は自己評価と同じ「A」。竹細工イノベーションでは、「県が竹工芸訓練センターを運営し、卒業生を見こしたKPIになっているが、もっと別府市も人材育成にお金を使うべき」などの意見が出て、自己評価「B」に対し、「C」とした。
 健康寿命延伸では、「検診の受診率の低さが課題」「無関心な若い世代に啓発するための取り組みが必要」「KPIだけをみると、医療費抑制効果額は2・4%しかない。このKPIで良いのか」など厳しい意見が出て、自己評価「C」を「D」と評価。観光客受入は、水際対策が緩和されたこともあり、ホームページの閲覧数や観光案内所訪問数などが大きく伸びたものの、コロナ禍の令和3年度との比較のため、自己評価は「C」とし、委員会も同様とした。持続可能な温泉観光都市への挑戦では、宿泊客の平均宿泊数、別府・大分バリアフリーツアーセンターにおける相談件数、ウェブサイトアクセス数など目標を達成。自己、外部ともに「B」評価だった。
 アーティストやクリエイターの移住・定住については、相談は24件で、移住した人は16人と目標を上回ったものの、ベップ・アート・マンスの参加者数は事業開始前と比べて激減。事業開始参加者数にウェブ参加者が多く含まれており「指標の設定に工夫が必要だった」として、自己評価は「C」で、委員会としても「C」。中規模多機能自治区形成事業は、7自治区における「ひとまもり・まちまもり協議会」の活動や移住に関する相談件数など、目標を概ね達成したことから自己評価を「A」とし、委員会も「A」で一致した。