別府市議会の令和6年第1回定例会は25日午前10時、本会議を再開して、予算決算特別委員会の委員長報告や反対討論、表決、追加事案の上程などが行われた。
吉冨英三郎委員長が「コロナ5類移行後、初めての予算計上でありますが、昨今の物価高騰も踏まえ、常に事業の費用対効果を勘案しながら予算執行を行っていただくよう願います。依存財源である地方交付税の動向については、財政当局は、今後も社会情勢の変化なども予測しながら、引き続き注視をしていただくよう要望する。また、歳出の公債費については、総合計画や公共施設マネジメントなどの各種計画にはない緊急的な支出もあり得るため、中長期的な視野をもって計画実施することが必要。公債費の増加が、将来、市の財政運営に与える影響を意識し、常に緊張感をもって適切な管理を行っていただくよう要望する」などとした。基金や各種特別会計の審査内容についても「可決すべき」として、「『決算認定審査意見書』及び委員長報告を尊重した予算編成、予算執行を心掛けるとともに、持続可能な財政運営のため、経常収支比率の改善、基金残高の増額を目指し、適正な予算計上を行うことを求める。多様化する社会への対応や頻発する大規模災害など、市政運営は、今後ますます難しい局面を迎えることが予想されますが、100年先を見据え、議会と執行部が、互いの役割を自覚・尊重し、適度な距離を保ちつつ議論することで、効果的な行政運営が行われ、真の『公共の福祉』の実現、ひいては市民一人ひとりの幸福につながるものと確信している」と報告。
美馬恭子氏(日本共産党)が、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計の予算及び介護保険条例の一部改正について、各特別会計の基金残高が多いことを指摘して「積み上げた基金は、今現在生きている市民に還元されてこそ生きる」と反対討論を行った。
採決では、一部議案に反対があったため、3議案が多数決に、他12議案については全会一致で原案通り可決した。
追加議案について、長野恭紘別府市長が、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正による補償基礎額が改定されたことに伴い、条例を改正する「別府市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について」と地方税法の一部を改正する法律の規定に基づき、条例を改正する旨の説明を行った。また、人権擁護委員として、早崎久砂美氏(72)と髙浦嘉昭氏(69)を推薦し、同意した。
また、議員提出議案として▽別府市議会委員会条例及び別府市議会の個人情報の保護に関する条例の一部改正について▽若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書を可決し、▽地方自治体における請負契約に関する法律改正と法解釈の拡大を了とする調達を求める意見書については、反対多数で否決した。
さらに、議会運営委員会委員の選任を行い、本会議を一時休憩し、委員会を開いて委員長に吉冨英三郎氏(自民新政会)、副委員長に三重忠昭氏(市民クラブ)を選任。本会議を再開して委員長報告を受けて、すべての日程を終え、閉会した。