母校に油絵「原爆ドーム」

「原爆ドーム」を贈った
浜田さん(左)と亀川校長

 生徒たちに戦争の悲惨さと平和の尊さを知ってもらうため、浜田博前別府市長は母校の市立朝日中学校(亀川義徳校長)に油絵「原爆ドーム」(たて1・5メートル、横1メートル)を寄贈した。
 亀川の住吉旅館の奥さん、住吉信子さん(95)が描いた作品で、市長自身にと「原爆ドーム」を贈られ、市長室に飾っていた。市長を辞めてから浜田さんは鉄輪風呂本の自宅に置いていたが、多くの人に鑑賞してもらいたいと、市教委の許可をもらい寄贈した。
 亀川校長によると、生徒会は昨年夏に平和授業の発表会をしてロシアによるウクライナ侵略について話し合うなどしており、今回の寄贈を受け入れて図書館の入り口に「原爆ドーム」を飾った。
 「子どもたちが平和への思いを抱いてくれるとありがたい」と浜田さん。亀川校長は「立派な油絵に感謝します」とお礼。
 住吉さんは現在、千葉県我孫子市に移り住んでいる。戦時中は小倉に住んでいて、学徒動員を経験。八幡や門司が空爆に遭い、恐ろしい思いをしたことがある。戦後、広島に2度行き「原爆ドーム」を描きあげた。95歳の今も創作活動をしており「何とか頑張っています。浜田さんとは市会議員時代からつきあいがあり、大変お世話になりました。私の作品が朝日中学校の平和教育に役立つなら、うれしい」と話している。