べっぷ駅市場に「リトル・ウクライナ」

ウクライナの家庭料理を提供する
「リトル・ウクライナ」

 2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、日本へ避難をしてくるウクライナ人を支援している、NPO法人ビューティフル・ワールド(小野ヤーナ代表)は20日、べっぷ駅市場の無人八百屋「Spontane」内にウクライナ料理が味わえる「リトル・ウクライナ」をオープンさせた。
 ビューティフル・ワールドは、在日ウクライナ大使館から、避難者の受入支援を受託。ヤーナさんは、立命館アジア太平洋大学の卒業生で、別府市も協力して受入をしている。現在も31人が別府市で生活をしている。一方で、時間の経過とともに人々の関心が薄れつつあり、侵攻直後と比べて、寄付金も8割減になっているという。避難してきた人も市民として就職するケースはあるものの、言葉の壁や年齢、病気などで仕事に就けない人もいる。就業機会創出と、ウクライナのことを多くの人に知ってもらい、交流できる場として開店を決めた。名前の「リトル・ウクライナ」は、避難をしてきた人は同じ地区で生活を送っているため、地域の人から「リトル・ウクライナみたい」という話からつけた。
 Spontaneの濱原健さんがボルシチが大好きというつながりから、場所を提供。ヤーナさんの想いに共感した、青いトンカチのウメダタカヤさんがクリエイティブディレクターとして内装を担当し、オープンリサーチ&ディベロップメントの古城正信さんが企画支援やPRを担当した。
 通常は、ヤーナさんの両親が料理を担当。ボルシチやピロシキ、ムリンチ(パンケーキ)などを提供する。その中で、時折、ウクライナの人たちが自分の得意料理を作って「スペシャルメニュー」として提供し、収益を得る仕組み。通常メニューの収益は運営資金と共に、母国・ウクライナで家をなくした人の支援などに使いたいとしている。
 店内は、ウクライナの観光地「愛のトンネル」をテーマに、ウクライナ語と日本語が書かれた紙を葉っぱに見立てている。カウンターには、簡単なウクライナ語を紹介している。ヤーナさんは「家庭料理を提供します。沢山のお客さんに来てもらいたい」と話した。