「色」を通じて歴史などを知って

教材を市教委に寄贈した照山龍治代表

 「地域の色・自分の色」研究会の照山龍治代表は「ふるさとのうみとそら~ふるさとを、『色』でつなぎ、『色』とくらべ、『色』でたしかめ、『色』からまなぶ!~」の完成報告のため、今日新聞社を訪れた。
 同教材は、一般財団法人日本児童教育振興財団2024年度助成(学習院大学秋田喜代美教授研究費)を受けて、別府・国東・姫島が共有する海や空の不思議、海の生き物の不思議、歴史や実体験を踏まえた地域防災、離島の自然、歴史、文化などを「色」の違いや変化を解き明かしていく。この教材を作成するにあたり、別府と姫島の小学校で、血の池地獄の赤い泥と拍子水温泉の淡河色の泥を使った泥染めを入口とした故郷の学び合いを行っている。
 教材は400部を制作し、別府市教委と姫島村教委、大分県教委、大学、学会、協力機関などに寄贈予定。
 照山代表は「色を通して、地域の自然、歴史、文化を知ることが、自分の身を護ることにつながる。防災教育と言っても『逃げる』や『備蓄品を事前に』もあるが、自分が住んでいるところや勤務しているところは、どういう自然環境なのかを知ることにつながる」
 「2011年の東日本大震災発生後、大分県防災計画再検討委員会の委員長をしました。その際、被災地の大川小学校などを回りました。被災地から大分県に避難してきた人から『自分が地域を守って、言い伝えを知っていたから、自分の命が助かった』と言っていた。地域が当たり前すぎて、歴史などに関心を持たないから、『色』から関心を持ってもらうために教材を作りました」と話した。
 教材は、別府の子どもたちが「色」を通じて、自分の地域や歴史などを学び、海を通って姫島村に行くストーリーとなっている。その過程で、瓜生島伝説などを知って、海を知ることが自分の命を守ることが分かる。
 「防災や津波と言うと子どもたちは身を引いてしまうという。中には泣き出す子もいる。火山や海は恐ろしさもあるけど、恵みもあることを伝え、うまく付き合っていくためのことを掲載しました」と話していた。