「親なきあと」相談員の研修会

「親なきあと」相談員として九州各県から
関係者が集まり研修を受けた

 社会福祉法人大分県社会福祉事業団(銅城義則理事長)は、障がいや病気を抱えた人や家族の将来への不安を安心に変えるための活動「親なきあと」相談員の養成研修を3、4日に別府市の亀の井ホテルで開催した。約100人が参加。
 病気や障がいを持つ人やその家族にとって、必ずやってくる「親なきあと」問題。日常的に親からの支援を受けながら生活している人が親が亡くなったり高齢化で身上監護や財産管理などの課題に直面する。本人だけでなく、家族にとっても「自分たちがいなくなったら、この子はどうなるのか」と不安を感じる大きな問題。
 事業団では、「親なきあと」相談室を県内6カ所に設置し、住まい、身の回りと生活の支援、資産管理、利用できる制度など、様々な相談に応じている。今回、日本財団(尾形武寿会長、東京都)と連携して、相談員を養成することになった。
 日本財団では「親なきあと」サポートプロジェクトとして▽相談=相談員の養成や相談室の全国展開▽情報=療育・支援情報をデジタルで次の支援者へ引き継ぐ仕組みの構築▽住居=重度障がい者が地域で安心して暮らせる多様な住まいの環境▽周知啓発=調査やセミナー、海外事例の研究を通じた社会的理解の促進と政策提言ーを柱に取り組みを進めている。全国5エリアで研修会が行われ、大分県が初めて。
 3日午前9時半、開会式が行われ、銅城理事長は「親亡きあとをめぐる課題は、本人や家族だけの問題ではなく、社会全体で向き合うべき大きなテーマであると感じている。1つの制度や支援だけで解決できるものではないと考えます。本人の希望や生活の在り方を中心に据えながら、多様な立場や資源が関わり合い、地域の中で支えていくことがとても大切。平成28年に法人が立ち上げた親なきあと問題プロジェクトをきっかけに、家族や関係者からの切実な声を受け、相談所の設置、相談員の養成をしてきました。全国に相談員の輪を広げる日本財団のプロジェクトに参画できることをうれしく思います」とあいさつ。
 相澤佳余日本財団常務理事は「障がいを持つ人が家族が高齢化または亡くなった後も住み慣れた地域で暮らせるようプロジェクトをやっています。特に重要な役割である相談支援の拡充のため、事業団と連携して実施することになりました。何かあったらあの人に相談しようという顔の見える、信頼される存在になってほしい」と話した。
 また、自身も障がいのある子どもを育てる、野田聖子衆議院議員も「長男は医療食なので誰かがいなければ、生きていけない。私たちが望んでいるのは大それたことではなく、1人の人間としてしっかりと生きていけることだけ。50歳の時に産み、切々に親亡きあとの問題を考えている1人。寄りそってくれる家族のような相談員が、研修会を通じて1人でも多く私たちの傍に来てくれることを心から願います」とビデオメッセージを寄せた。来賓の下鶴直哉県障害福祉課長もあいさつをした。
 研修会では、ソーシャルワーカーにおける価値と倫理や、課題整理、相続税務、信託制度などの話があり、4日には相談の実践から学んだことを共有し、グループディスカッションで理解を深めた。