別府市と大分大学減災・復興デザイン教育研究センターは24日午後2時半、市役所で「鶴見岳・伽藍岳の火山防災に係る連携に関する協定」を締結した。
別府市の「誰もが安全安心なまちづくり」の実現を目指した取り組みと、センターが行う教育、研究、地域貢献活動による社会貢献活動の発展に寄与することが目的。
別府市は、鶴見岳と伽藍岳の活火山があり、それにより温泉が沸く恩恵を受けている。一方で、噴火すると甚大な被害が予想されている。一昨年12月には、鶴見岳・伽藍岳火山防災協議会で避難計画が改定され、広域避難計画などについて住民説明会を開くなどしている。昨年は、伽藍岳で火山性地震が観測され、一時期、レベル2の「火口周辺規制」に引き上げられた時期もあった。
協定では、▽火山防災の平常時及び災害時における情報や知見の相互活用▽火山防災に関する支援及び助言▽火山防災の標準化及び高度化に関する研究▽知識の普及、啓発及び人材育成▽復興デザイン等の取り組みに関する支援及び助言ーその他、必要な事項について連携・協力を行う。
長野恭紘別府市長と鶴成悦久センター長が協定書に署名。鶴成センター長は「日本列島には数多くの活火山があり、時々噴火して、大きな被害をもたらしています。御嶽山の噴火では、登山者58人が亡くなり、5人が行方不明という戦後最悪の被害となりました。別府市にとっても火山防災は喫緊の課題だと思います。これまでもフィールドワークなどに取り組んできました。協定により、協力強化を図っていきたい」。
長野市長は「誰もが安心安全なまちづくりの実現のため、大きく加速する協定。温泉の恵みあっての観光地。危険と隣り合わせでありながら、自然の恵みを受けています。実施に噴火が起きた時の具体的なイメージを持って動かないといけない。協定は心強い。市民に周知し、知見を深めていきたい」とそれぞれあいさつをした。
令和5年度は、鶴見岳・伽藍岳に係る避難計画基本事項の検討や火山防災啓発への取り組みなどを行う予定にしている。