別府温泉杉乃井ホテルは、２０２１年夏開業予定の新棟建築工事地鎮祭を２６日午後１時から、現地で行った。
杉乃井を運営するオリックス不動産株式会社（高橋豊典社長、東京都）は約４００億円ともいわれる大規模リニューアルを予定しており、その第１弾。新棟は、全天候型アミューズメントプール「アクアビート」の北西に位置し、地上８階建て、全１５５室。２人部屋を中心に、宿泊に特化したカジュアルな宿泊棟をイメージしているという。設計は、株式会社松田平田設計、施工は鹿島建設株式会社。
杉乃井ホテルは、１９４４年に開業した別府を代表する老舗ホテル。徐々に規模を拡大して、大型リゾートホテルとして親しまれている。２００２年からオリックス不動産が取得して、２００８年から直営での運営を行っている。これまでも、大展望露店風呂「棚湯」や屋外温泉「ザ・アクアガーデン」、チャペルなどの婚礼施設、バイキングレストラン「シーダパレス」などリニューアルを行ってきたが、各施設に老朽化が目立つことから、全面リニューアルをすることを決断した。
地鎮祭には関係者約４０人が出席し、神事は八幡朝見神社の神日出男宮司が執り行った。深谷敏成オリックス株式会社執行役不動産事業本部長、似内隆晃オリックス不動産株式会社取締役副社長・杉乃井ホテル＆リゾート株式会社代表取締役、佐々木耕一杉乃井ホテル＆リゾート株式会社専務執行役員・別府温泉杉乃井ホテル総支配人、江本正和株式会社松田平田設計代表取締役社長、石川洋・鹿島建設株式会社代表取締役副社長執行役員が玉串を奉てんし、期間中の工事の安全を祈願。
深谷本部長が「改めて、身の引き締まる思い。杉乃井はおかげさまで盛況で、期間中も営業をしながらということで、沢山の人がいる中で工事を行い、利用する道路も地域の人の生活道路ということで、施工は大変だと思いますが、絶対安全でお願いしたい」。似内副社長は「運営とホテルスタッフ、工事関係者がコミュニケーションをとって進めてもらうことが、安全安心につながると思う。ますますお客様に喜んでもらえる施設にしたい」とそれぞれあいさつをした。
神事終了後、記者団に対して似内副社長は「施設の老朽化と共に、国が２０２５年までに耐震化を行うように示している中で、２年かけて議論をし、建て替えを決めた。部屋が少し狭いということもあるので、カジュアルな感じをイメージしている。これまでのお客様を大切にしながら、将来的には外国人観光客をどう取り込むかも視野に入れていく。今まで以上にみんなで楽しめる温泉リゾートを目指していきたい」と話した。
今後は、さらにもう１棟を新築し、Ｈａｎａ館を建て替え、本館を解体する。すべてのリニューアル工事が終了するのは、２０２５年を見込んでいる。