別府市公営事業局競輪事業管理者

公営事業化し事業推進

上田 亨(うえだ とおる)さん
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 4月から地方公営企業法の全適用となったことを受けて「公営事業局」となり、新たに特別職の競輪事業管理者になった。
 「紙車券が伸びない中、デジタル車券が伸びており、まだ伸びしろがあると思います。現在、4つの民間ポータルサイトがありますが、どういった人が買っているのか等の属性が分からない部分がある。様々な選択肢がある中で、ポータルサイトを立ち上げることになった。国はビジネスマインドを持って運営に取り組むこととしている」
 「ポータルサイトを作る前段階として、売掛金や預かり金などの受け皿を作らないといけない。そのために、公営企業化することになった」と経緯を振り返る。競輪場単独でポータルサイトを立ち上げるのは、初めて。
 「ポータルサイトを成功させること、周辺対策の実施、まだ手をつけていない部分の施設改修が課題」と言う。
 別府市で生まれ育った。県立別府鶴見丘高校を卒業。昭和56年に別府市に採用され、平成27年に競輪事業課参事、28年に同課長、29年に経済産業部次長兼公営競技事務所長、令和元年に公営事業部長を歴任した。競輪事業はトータル27年ほどになる。
 「地元に残りたいという気持ちがあり、別府市に入りました。平成3年に初めて競輪に配属された時、別府競輪で初めての特別競輪『ふるさとダービーGⅡ』が開催され、開催まで半月しかなく、分からないことだらけで、寝る間も惜しんで勉強をして、目標達成の数字を見た時、じんわりと涙が出た」と振り返る。
 「職員みんなの協力や努力があって、管理棟建替えや照明設備の充実、GIレースやナイターやミッドナイト開催、ガールズなど各種レースを実施できました。感謝しかありません」と話す。みんなで様々な取り組みを行った結果、本場開催回数も増え、令和5年度の年間売上は過去最高の375億円に。
 趣味は「家族と食事をするのが楽しみ」と笑顔。子ども2人はすでに独立し、夫婦水入らずで暮らす。