大分県アイサポート委員会設立

基調講演で体験談を語る永野さん

 視覚に障がいのある人の自立を支援する「大分県アイサポート委員会」(釘宮好美代表、10人)は11日午後1時半、千代町のふれあい広場サザンクロスで設立記念フォーラムを開催した。約140人が参加した。
 委員の多くは、病気や事故などで視力が著しく低下したり、失明したりした。視覚障がいへの理解を深めてもらう活動や、働ける場の裾野を広げたりすることを目的に活動をスタート。毎月、委員会を開いて日常生活における制度や金銭面、社会参加などの工夫、情報共有を行う。
 釘宮代表があいさつしたあと、自身も視覚障がいを抱える永野千華さんが「視覚障がいがあっても『一女性として』『親として』『働く社会人として』体験してきた社会との関わり」と題して基調講演を行った。永野さんは「医者から20歳には全く見えなくなると言われました。小学校から盲学校に通い、とても窮屈な感じでした。早く大人になって自立したいと思っていた」と言う。結婚をしたものの、視覚に障がいがあるのは自分だけだったことから「家族の誰にも理解されなかった。外出した時にトイレに行きたいというと、夫から舌打ちされたりして、トイレに行きたいと言えなくなった」と振り返る。様々なことがあり、離婚。「子どもの存在はありがたかった。毎日、体当たりで子育てをやってきて、いい人生を送れた。視覚障がいがあって良かったとは思えないが、見えないことで知り得たことは沢山あり、今の自分で良かったと思う。障がいに関係なく人とつながって、情報を知って考えることが、楽しい人生を送るために大切なことではと思う」と体験談を語った。
 また、パネルディスカッションも行われ、それぞれが感じている悩みなどを話し合った。
 委員会では、委員やサポーターを募集している。問い合わせは、NPO法人自立支援センターおおいた事務所内(電話27・5508)へ。