別府市は絵画作品を寄贈した元別府市歯科医師会長の丸尾道彦氏(81)に感謝状を29日午後3時15分、別府市美術館1階絵画・彫刻展示コーナーで贈呈した。同氏夫人の郁代さん(78)が同席した。
丸尾夫妻と絵画の出会いは、昭和63(1988)年に福岡アジア美術館で開催されたアジアの新進気鋭の若手作家の作品を集めた展示会で、注目された作品と出会った。作家は、タイ人のスラシット・サウコン氏。東京の知り合いの画商に調査を依頼し、アジア美術館で見た絵に雰囲気が似ている絵画に決めて、購入した。
作品は、タイ東北部ローイエット県出身のサウコン氏が同年に制作した油彩「静寂」。キャンバスはたて205㌢㍍、横147㌢㍍(約120号サイズ)。
感謝状贈呈式では、丸尾氏、郁代夫人、別府市から長野恭紘市長、寺岡悌二教育長、矢野義知教育部長、姫野淳子社会教育課長が出席した。
司会の檜垣伸晶別府市美術館長が出席者を紹介。長野市長が丸尾氏に感謝状を贈呈された。
長野市長は「素晴らしい120号を超える迫力のある素敵な絵を、御寄贈いただいたことに心より感謝申し挙げます。ご夫妻で写真、鉛筆画などを行っていると聞いており、芸術家としてのセンスで、今回の素晴らしい絵も選ばれたと思います。市民や観光客に見てもらえると思います」と感謝を述べた。
続いて丸尾氏が「この絵をここに飾らせていただいて、感謝申し上げます。この絵は購入してから自宅で飾っていました。私は、別府生まれではありませんが、別府に移住して50年。温泉と同じように温かい別府人の気質。別府市に感謝の気持ちとして寄贈しました。素晴らしい歴史のある美術館に飾っていただけることに驚いています」とあいさつした。
記念撮影後、丸尾氏と長野市長は絵の前で歓談した。