VRを使い錯視などを体験

VR(バーチャルリアリティ)を
体験する学生ら

 別府大学人間関係学会は公開講座「認知症フレンドリー講座」を4日午後2時、同大学メディア教育・研究センターメディアホールで開催した。同大学での同講座は初めて。
 同大学人間関係学科の上野智子准教授は、福岡で同講座に出席。別府でも講座を行い、「認知症」を正しく認識・理解してもらうとともに、認知症の人の気持ちを知ってもらうことが目的。
 講師は、認知症フレンドリー事業運営責任者・同講座主任講師の坂田一裕さんが務めた。
 まず座学(講義形式で知識を習得する学習方法)では、「認知症についてともに考える」をテーマに行った。
 「同講座は、認知症のことや認知症の本人の思いを『本人視点』で理解し、『ともに暮らしていける社会』を考えること」と説明した。
 認知症のイメージは▽誰にでもなりうる病気▽自分が認知症になった時のことを考える▽周囲の理解がとても大切▽地域活動に参加したほうが良い▽喜びや悲しみを分かち合うことができる▽気分の良い時には普通に過ごせる▽認知症の人には心のゆとりをもって話を聞くことが大切▽認知症の人は戸惑いや不安な心境にあると思う▽楽観的で困りごとは少ないだろう―といったものがある。そのほか、将来気をつけたい症状などについて説明した。
 続いて、VR(バーチャルリアリティ)を活用して「階段を下りる」「バスの乗車」「錯視が見える」の3つを体験した。VR体験中、ゴーグルからの指示で立ち上がるなどした際、「こわい」などの声があった。
 終了後、参加した受講生は「階段を下りるときは、本当に転げ落ちそうで怖かった。今の自分が見えている世界とは違い過ぎて、こんなふうに見えている認知症の方がいるということが分かりました」
 「今の生活では視界が揺れたりしないので、自分がそうなったときは一人で歩くのすら、怖くなると思いました」
 「実際に介護の勉強をしていて、余計なお世話にならないような支援やもっと違うアプローチも大事と感じました」と話した。