杵築市が緊急財政対策をまとめ

会見で緊急財政対策のまとめを発表する興田副市長ら

 杵築市は、令和2年度緊急財政対策をまとめ6日、市議会に説明。10日から、市民に対しても同様の説明を行うことにしている。
 午後1時半から、興田信一副市長らが出席して報道陣に対して説明を行った。それによると、一般財源を平成31年・令和元年度と比べて、約11億9245万円削減。財政調整基金の取り崩しを最小限にとどめ、常に10億円以上の残高となるようにする。また、当初は減債基金を使って繰り上げ償還をするとしていたが、それを取りやめて金利見直しなどによる借り換えなどで平準化を図り、合併振興基金などの特定目的基金を活用して公債費を圧縮。財政課によると、償還のピークは令和5年度とみており、減債基金で乗り切るように方針転換をした。借入額は毎年12億円以内として、借入額が償還額を上回らないようにしていく。
 補助金を中心に事業の見直し、縮小、休止、廃止を行い、削減額に努める。職員の給与などについては、令和2年度は5%カットを見込んでおり、令和3年度及び4年度については、新規採用を見送り職員数を減らしていく他、再任用職員(職員OB)を増やし、会計年度任用職員(現在の臨時職員など)を減らし、全体で令和4年度4月時点で現在より99人減少させる見込み。
 ケーブルテレビの料金を見直し、施設更新なども料金で担えるようにする他、コミュニティバスを5月から100円値上げ、7月から健康ふれあいプールの値上げと定休日を1日増やす。健康福祉センター温泉場、山が温泉センターは値上げと定休日の増加、営業時間の短縮などで継続を図るなど、多くの施設で時間の短縮、値上げ、定休日の増加をすることで、維持していく。B&G海洋センタープールと市営山香水泳プール、大田石丸体育館は、代替施設があるなどの理由で廃止する方向。
 イベントに対する補助金も大幅にカットされる見込み。一方で、ふるさと納税の増加などで収入増を図りたい考え。10日から住民に説明を行い、意見を踏まえて、3月の定例市議会に上程を予定している。興田副市長は「令和2~4年度で、持続可能な財政対策を取り、財政調整基金の取り崩しをなくしたいとというのが1つの大きな目的。昨年12月に説明し、いろんな意見やお叱りをいただいた中で、短期間だったが職員が一丸となって収入に見合った財政規模の体制づくりに努力した。100%満足のいく形ではないと思うが、皆さんの声を聴きながら、安定した財政状況を作っていきたい」と述べた。

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