大分大学温泉健康ウェルネス科学研究センター

大分大学と別府市の関係者が参加して
温泉研究による講演を聞いた

 国立大学法人大分大学(北野正剛学長)は、温泉健康ウェルネス科学研究センターのキックオフミーティングを21日午後1時15分、同大学で開催した。関係者約40人が出席した。
 大分大学は、肥満や高血圧症、慢性腎臓病などの生活習慣病から認知症、アレルギーなどの様々な疾患を温泉浴の有効性だけではなく、医学的な安全性の検証および健康寿命延伸への活用を一体的に行う大学の常設研究拠点としてセンターを10月1日に設置した。医学部や理工学部、福祉健康科学部などの教授ら20人で構成されている。どうやったら体によく温泉を利用できるのかという知見を見出し、発信し別府市と連携する。柴田洋孝センター長は「しっかりとしたエビデンスを出し、利用者などに還元するところまでを大学がやるのは全国でも初めてだと思う」としている。
 北野学長が「大分大学では、長野市長が提唱する新湯治・ウェルネス事業を大きな契機とし、これまで行ってきた温泉に関する医学的研究を発展させるため、センターを設置しました。アカデミアとしては、温泉科学の研究により国内外への情報発信が求められますが、最も重要と考えているのは、地域の皆さんにどれだけ研究成果を還元できるか。これを機に、大分大学と別府市がこれまで以上に手を携え、互いの強みを生かしながら、地域の健康、ウェルネスの発展に向けて連携を進めていけることを願っています」とあいさつ。
 長野恭紘別府市長が「新湯治・ウェルネス~エビデンスが拓く、温泉の新しい価値と未来のまちづくり~」、センターから河野洋平講師が「大分大学の肥満研究基盤を活用した温泉泉質の生活習慣病研究~重炭酸イオン温浴から別府温泉の基礎研究へ~」、木村成志教授が「認知症予防を目指した温泉コホート研究~温泉浴の予防効果の検証とエビデンスの創出~」、小林隆志教授が「温泉免疫学の概要~温泉と免疫系の相互作用を探る~」と題してそれぞれ講演した。
 長野市長は「温泉はこれまでなんとなく体に良いと言われていたが、いろんな角度からものさしをつくって、『なんとなく』から『科学』へ社会実装していくことが求められている」とした。別府市と認知症における温泉浴の効果について検証を行う小林教授は「温泉浴による認知予防効果が明らかになれば、市民の健康と地域の発展につなげられる」などと話した。
 引き続き、大分大学の関係者と別府市の関係者で非公開で意見交換会を行った。