地域全体で支える環境を

児童相談所などから虐待の現状を聞き、意見交換をした

 別府市教育委員会は22日午前10時、市中央公民館で令和2年度第2回「みんなでべっぷ子育て『地域・くらし』ラボ」を開催した。約20人が参加。
 ラボは、家庭だけではなく地域全体で子育てをする環境を目指して、おおむね中学校区ごとに、地域住民が家庭教育を支援するネットワークを作ろうというもの。2回目は、教育や地域について考え、課題解決に向けた取り組みを生み出す学びの場とした。
 大分県児童相談所の溝口球子さんが「児童相談所の業務と児童虐待の現状について」と題して講話した。「虐待は、子どもは大人の言う事を聞くもの、親のものという考えで、子どもの権利が損なわれる。子どもも1人の人間として扱われるべき。心身ともに健やかに成長する権利があるが、大人のサポートがあってこそ。家族は密であるからこそ、虐待が起こりやすい」などと話した。
 また、コロナ禍で昨年は緊急事態宣言が全国に出された時には、普段の様子から虐待を疑い通報をしていた学校が休校となったため、相談件数が減ったのではないかとの見方を示した。別府市子育て支援課の河野まなみさんが、子育てに関する相談窓口や別府市の施策について説明をした。
 引き続きグループに分かれて感想を語り合い、交流を行った。参加者からは「(虐待のケガの)写真を見て、ショックだった。あんなことが本当にあるかと思った」「誰かに(悩みを)話すだけで、ストレスが軽減できるのでは」「今は身近に相談が出来る大人が少ないのでは」などの意見が出た。
 次回は、県外からの講師を招いての講演会を予定しているため、リモートで開催する予定。