大分県と大分市は22日、812人に対してPCR検査等を行い、大分市、別府市、豊後高田市、宇佐市、日田市、県外の10歳未満から80歳以上の男女42人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の新規感染者としては過去最多で、県は「第4波の入口」との認識を示した。
大分市のカラオケ喫茶で長時間にわたりカラオケを行った高齢者のグループでクラスター(集団感染)が発生しているが、新たに9人が陽性となり、ここでの感染者は合わせて23人となった。また、クラスターとは別にカラオケをきっかけとした感染者が9人確認された。
別府市では、市職員の感染が初めて確認されたことを受けて22日、長野恭紘別府市長が会見した。陽性が判明したのは、障害福祉課の30代女性職員で、21日に家族の感染が判明して濃厚接触者として検査を受けたところ、自身も陽性だったことが分かった。同じ課の職員6人も濃厚接触者とされ、2週間の自宅待機をするとともに、PCR検査を受けることにしている。
課内の消毒はすでに終わっているが、安全面などを考慮して23日まで業務を停止。緊急の場合は電話対応を行う。また、月曜日から業務を再開するが、他の課から経験者が業務支援を行い、市民サービスが停滞しないように努める。同課の窓口では、職員はマスク着用し、アクリル板で仕切るなどの対策を行っているため、市民への感染リスクは低いとみられている。これまでも感染予防には取り組んできたが、さらに徹底するように再度促した。
長野市長は「どこでも、誰でも感染するリスクはある。業務継続計画をつくっているが、重要なのはこれから。こういったことはまたいつ起こるか分からない。1人ひとりが感染予防対策を徹底することが大切だと思う」と話した。
別府市では他にも50代無職女性が18日から症状が出ているが、感染経路は分かっていない。60代男性施設職員は家族の感染が確認されており、80歳以上の無職女性はカラオケでの感染。
大分市は34人で、うち60代から80歳以上の男女16人がカラオケによる感染。30代から60代の男性3人は知人の感染が分かっている。家庭内感染も多く、20代から70代の男女8人はすでに家族の感染が確認されている。40代男性医療スタッフは医療機関での感染とみられている。感染経路が分かっていない人は、20代から70代の男女5人。60代自営業の男性は飲食店での感染。
豊後高田市は1人で、20代の自営業女性。21日から症状が出ているが、感染経路は不明。宇佐市も1人で、60代男性会社員。カラオケ関連での感染。日田市も1人で、40代の自営業男性で、飲食店で感染したとみられている。県外は10歳未満の男児で、県外での感染と思われる。
県では、カラオケは、空中に飛沫が飛散するため、感染リスクが高く、全国的にも多くのクラスターが発生していることから、家族など少人数で楽しむ場合を除いて、控えるように強く要望。事業者においても、感染拡大予防ガイドラインの順守・徹底を改めて呼びかけている。
また、イギリス由来の変異株に感染していた80歳以上の女性1人が亡くなり、死者は24人となった。