別府市消防本部は「救急の日」の9日午前9時、市内の医師1人、看護師2人を「一日救急隊長」に委嘱し、救急現場を体験してもらった。今回で32回目。
救急医療及び救急業務に対する市民の理解を深め、救急医療関係者の意識の向上を図ることが目的。
3人に委嘱状を手渡した須﨑良一消防長は「救急業務の重要性と信頼性は以前より高くなっており、市民や観光客の皆さまの期待に応えていかなければいけません。また、救急救命士の処置拡大など救急業務の高度化に伴い医療機関との連携も、さらに充実してまいりたいと考えております。短い時間ですが、業務を体験していただき、医療機関と消防本部との連帯感がますます深まると確信しております」とあいさつ。
新別府病院の津村佳希医師(24)は本署第1小隊救急隊、黒木記念病院の野村一実看護師(30)は亀川小隊救急隊、内田病院の吉野愛梨看護師(21)は浜町小隊救急隊にそれぞれ配属された。
通信指令室の説明を受けた3人は、本署駐車場で救急車の装備や資器材などの説明を受けた。
説明が終わったとき、本署駐車場に「救急入電中」との放送が流れ、現場の空気が一変。亀川小隊救急隊が出動となり、救急隊とともに野村看護師が救急車に同乗。助けを求める市民の元に向かった。
新別府病院の津村医師は「ER(救急患者受け入れ部門)で診療する際は、家や事故現場から病院に運ばれてくる流れは救急隊の方の情報で判断しています。今回、出動があったときは実際に見ることで勉強になると思います。どのようなプロセスで病院まで搬送するのかを見ることで、今後の診療に活かしていきたい」と述べた。
また、別府市NET119緊急通報システムが同日午前9時から運用を開始した。NET119とは、聴覚や音声または言語機能の障がいなどで音声による通話を困難としている人が、携帯電話やスマートフォンのインターネットサイトにアクセスして、簡単な操作で「火災」「救急」の要請を選び、自宅やよく行く場所を登録しておくことで即座に管轄の消防署につながるシステム。登録は、別府市消防本部ホームページの「NET119緊急通報システム」のページから行うことができる。