ラグビーW杯大分大会準々決勝

 ラグビーワールドカップ2019日本大会・大分大会の準々決勝が19日にイングランド対オーストラリア、20日にウェールズ対フランスの2試合がいずれも午後4時15分から行われた。これで、大分でのW杯の試合はすべて終了した。
 予選プールも含めて、5試合全てが3万人超えとなり、県内には連日、多くの外国人観戦客が訪れて、大いに賑わった。
 準々決勝は、2試合ともに激闘を勝ち抜いてきたチームとして、一歩もひかない、熱戦が繰り広げられ、観客も熱烈な声援を送り続けた。
 結果は、別府市を公認チームキャンプ地としたイングランドとウェールズが勝ち上がった。予選プールでも4チーム中3チームが8強入りするなど、チームにとっては、縁起の良いキャンプ地となったようだ。試合後は、花道をお互いに作って健闘を称え合うなど、ラグビー独特の「ノーサイド」の精神が選手だけでなく、ファンの間にもいたるところで見られた。

激しいぶつかり合いが見られたイングランド対オーストラリア
観客もノーサイドでイングランドとオーストラリアのファンが仲良く観戦
大勢のファンが駆けつけて熱い声援を送った

9日は、3万6954人(主催者発表)が来場。準決勝へのキップをかけた試合とあって、両チームのファンともに熱い声援を送った。
 はじめに、台風19号の犠牲者に対して黙とうを捧げた。試合開始後11分34分に、オーストラリアがペナルティーキックのチャンスをつかみ、クリスチャン・リアリーファノ選手が見事決めて、3点を先制。しかし、その6分後に、イングランドのジョニー・メイ選手がトライを決め、逆転すると、20分過ぎにメイ選手が2つ目のトライを奪いオーストラリアを突き放した。キャプテンのオーウェン・ファレル選手も2つのペナルティーキックを確実に決めるなど、前半は17ー9とイングランドが強さを見せた。
 後半に入ってもイングランドの勢いは止まらず、ファレル選手がさらに2つのペナルティーキックで得点を重ね、試合終了5分前には、アンソニー・ワトソン選手がトライを決めるなど終始イングランドが試合をコントロール。オーストラリアも後半開始すぐにマリカ・コロイベティ選手がトライを決めるなど意地を見せたが、及ばす。40ー16でイングランドが圧勝。準決勝へコマを進めた。
 試合後の会見で、エディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は「最初の20分間は、オーストラリアにボールを75%保持されていた。ディフェンスがとても大事だった。選手はうまく修正できたので、チャンスを掴むことが出来た。チームが成長しているということだと思う。準決勝は一番厳しいと思うので、1週間でしっかりを準備をしたい。多くのサポーターが応援してくれた。キャンプ地の別府市は温泉が沢山あるところだったので、とても癒された。まだまだやることはある」と振り返った。
 一方で、ここで敗退となったオーストラリアのマイケル・チェイカーHCは「自分たちのラグビーはしっかりと出来たが、非常にがっかりしている。ファンの皆さんには、応援してくれてありがとうと言いたい。母国全体が応援してくれている重みを感じていた、結果を出したかった」。マイケル・フーパー主将も「素晴らしいファンに応えて、勝ち切ることができずに心が痛む」と言葉少なに語った。
 イングランドは、準決勝でW杯史上初の3連覇を狙う、絶対王者ニュージーランド代表オールブラックスと対戦する。

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