日本温泉気候物理医学会が公開講座

妊婦の温泉入浴について話を聴く参加者

 一般社団法人日本温泉気候物理医学会(宮下和久理事長)の温泉療法医会は、2019年度九州地区研修会を別府市のビーコンプラザで開き、15日午後3時から、市民公開講座を行った。
 平成26年に温泉法の改正が行われ、それまで温泉入浴を禁止する「禁忌症」とされたきた妊婦(特に初期と末期)の温泉入浴が「医学的根拠がない」として除外された。しかし、今でも妊婦の温泉入浴について心配する声は多いという。学会では、前学術委員で大分県産婦人科医科副会長の岩永成晃岩永レディースクリニック院長と協力して研究を行った成果を発表した。
 宮下理事長が「学会として、安全性を検証するのは初めてのこで、きちんとしたエビデンスを示すことが大切だと思う。安心して入浴を楽しみ、温泉入浴を通じて健康意識を高めてもらえるきっかけになればと思う」とあいさつ。来賓の長野恭紘別府市長が祝辞を述べた。
 岩永院長は「大丈夫ですよ!妊婦さんの温泉入浴!」と題して講話。「温泉地では、地域によってはマタニティプランを作っているところもある。しかし、仲間の医師からも温泉入浴が大丈夫なのか問い合わせがあることがあり、十分に周知されていない。温泉入浴をした人としていない人では、むくみや高血圧など違いはなく、産科的なトラブルが増加することもなかった。飲用には注意が必要だと思うが、温泉入浴には問題がない」と話した。

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