県立別府鶴見丘高校が創立110周年

式典で生徒代表であいさつをする間部生徒会長
卒業生の徳田弁護士による講演会も行われた

 大分県立別府鶴見丘高校(石井利治校長、705人)は創立110周年を迎え、30日午前10時から同校体育館で記念式典と記念講演会を行った。
 明治43年に「私立別府女学校」が設立され、大正9年に「町立別府高等女学校」の認可を経た。同13年には市制施行により「市立別府高等女学校」となった。昭和5年に県に移管されて「県立別府高等女学校」に変更された。昭和8年に認可を受けた「別府市立別府中学校」(のちの県立別府中学校)と昭和23年に合併して「県立別府第一高等学校」が発足。翌24年には定時制を併設。昭和26年に現在の「別府鶴見丘高校」となった。
 昭和52年には県立別府青山高校(現・別府翔青高校)との合同選抜入試、同58年から別府青山高校、県立別府羽室台高校(同)との合同選抜入試で、平成7年に単独選抜入試になった。
 式典では、実行委員長の菅健一鶴嶺会長が「一歩踏み出せば、明るい未来が待っていることを信じて、学生生活を楽しんでほしい」とあいさつ。
 石井校長は「明治、大正、昭和、平成、令和と一世紀を超える歴史を刻み、二度の大戦をはじめとする数々の苦境や合同選抜制度、高校再編など大分県教育の変革の波を乗り越えて、県下有数の普通科進学校としての地位を確立し、郷土を支える多くの人材を輩出してきました。新しい鶴高の学びに鍛えられた鶴高生は、次代を担うリーダーとして力強く羽ばたいてほしい」と式辞。工藤利明大分県教育長、日名子健太郎PTA会長が祝辞を述べた。
 生徒を代表して、間部陽奈生徒会長が「鶴見丘の一員として、この節目を迎えられることを光栄に思っています。これまで、長い歴史を刻み、様々な時代を越え、素晴らしい先輩方から沢山の大切な伝統を受け継いできた。『質実剛健』の校訓を胸に学力と人間性を兼ね備えたタフな鶴高生を目指し、それぞれ夢や目標をもって学校生活を送っています。未来の鶴見丘について考えると、1人ひとりがより主体性と多様性を持って向上できる人間にならなければと感じています。変化の多い時代ですが、鶴見丘の歴史と伝統は絶えず引き継がれなければなりません。新しい時代を担う一員としての責任を忘れてはいけない。今の私たちにしか生み出せない新たな鶴見丘を生徒の手で作っていくことが未来を発展させると確信している」と述べた。
 引き続き、記念講演会が行われ、15回生で前鶴嶺会長の徳田靖之弁護士が「人間らしく生きるために~エイズの子どもたちに学んだこと~」と題して講演。徳田弁護士は、鶴見丘に入学する際、野球で甲子園を目指していたが、様々な事情で野球を諦め、学業に専念したことを「安易な道を選んだことを後悔している。それ以来、迷った時は、必ず難しい道を選ぼうと、生きていく上での教訓を得た」などとし、エイズで闘っている子どもたちのとの出会いの中で感じたことについて話した。

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