第９３回選抜高校野球大会９日目第３試合に登場した大分県代表の明豊は２９日、奈良県代表の智弁学園と対戦し６―４で勝利し、４強入りした。準決勝に駒を進めたのは、平成３１年以来２年ぶり２回目。
明豊は１回表、先頭打者の幸修也主将がフルカウントからの７球目をフルスイングし左越本塁打で先制した。
３回表、２番の阿南心雄選手が走者２塁の好機に中前適時打で１点を追加。４番の黒木日向選手が２死２塁から中堅への適時打でさらに１点を追加し３―０と点差を広げた。
５回表、２死２、３塁の好機に４番の黒木選手が右翼に適時打を放ち、２点を追加。５点差をつける。
春の選抜１２回、夏の選手権大会１９回の出場を誇る智弁学園は５回裏２死２塁、５番の三垣飛馬選手が中前適時打で１点を返す。６回裏１死満塁で、２番の垪和拓海選手が四球を選び、押し出しで１点。続く３番の前川右京選手の遊撃ゴロの間に３塁走者が生還し２点差とする。２死１、３塁で４番の山下陽輔選手が左翼に大飛球を放ち、抜ければ同点かと思われたが、明豊の左翼手阿南選手がフェンスに激突するジャンピングキャッチの好守備で３死となった。
明豊は８回表２死１、２塁、８番の蓑原英明選手が右前適時打を放ち、再び３点差とした。
智弁学園もその裏、２死３塁とし、４番の山下選手が遊撃への適時打で１点を入れて、４―６と２点差まで詰めた。
その後、明豊は堅守で智弁学園の攻撃を抑えて、勝利の切符を掴んだ。
試合後のインタビューで川崎絢平監督は「最後は苦しかったが、よく生徒が踏ん張ってくれました。前半は良い入りだったが、このままで終わる訳が無いと思っていましたので想定はしていたが、本当に苦しかったです。（智弁学園は）対応力のあるチームなので、なるべく目線を外すように違うタイプの投手を起用しようと思っていました。甲子園という舞台で成長するのが一番なので、本当に甲子園が成長させてくれていると思います」と述べた。
６回の阿南選手のプレーについて「執念のプレーで、このチームを象徴するようなプレーだったと思っています」と話した。
２年ぶりの４強入りで次の試合については「苦しい試合になると思いますし、良いゲームが出来るようにもう一度、気を引き締めて準備したいと思います」と述べた。
幸主将は「第１打席は直球を狙っていました。一発で仕留められたので良かったと思います。守りながら『１つのプレーで流れが変わる』と思っていました。集中力を全員が持っていたのが勝ちにつながったと思います」と話した。
明豊の次の試合は、３０日の休養日をはさみ大会１０日目となる３１日午後１時４０分から、中京大中京（愛知県代表）と対戦する。