準決勝 中京大中京を僅差で破り決勝へ

やった!県勢54年ぶり決勝進出を決めた明豊ナイン(読売)

 第93回選抜高校野球大会10日目の準決勝第2試合に登場した大分県代表の明豊は3月31日、愛知県代表の中京大中京と対戦し、5―4で勝利し、明豊高校史上初の決勝進出、見事歴史を塗り替えた。大分県勢54年ぶりの「紫紺の大優勝旗」が見えた。
 明豊は太田虎次朗投手、中京大中京は柴田青投手の力投でゼロ行進が続く中、均衡が破れたのは4回だった。
 明豊の4回表、先頭打者の3番の竹下聖人選手が左前安打、4番の黒木日向選手が四球で走者1、2塁と好機を迎える。5番の米田友選手が3塁へ犠打を放ち、1死2、3塁。6番の山本晃也選手が死球で、1死満塁で先制点の期待が高まる。7番の塘原俊平選手が7球目を左翼に犠打を放ち、1点を先制。ここで投手の8番太田選手が右前適時打で1点を追加し、走者1、3塁。太田投手とバッテリーを組む捕手の9番の蓑原英明選手が左翼を越えるフェンス直撃の2塁適時打を放ち、さらに2点を追加。続く、1番の阿南心雄選手が中前適時打で1点を入れ、5点差となる。ここで中京大中京は投手を柴田選手からエースの畔柳亨丞選手に変え、明豊の攻撃を抑えた。
 春夏計11回の全国最多優勝を誇る中京大中京も5回裏2死2塁、杉浦泰文選手が右適時打で1点を返す。6回裏1死2、3塁、加藤優翔選手が走者一掃の左適時打で2点を入れる。9回裏1死1、3塁、満田悠生選手がバントの構えを見せるが見送ったところ、1塁走者の富田稜大選手が1、2塁間で挟まれてアウトになる間、3塁走者の前田祥通選手が本塁に生還し1点差としたが、あと一歩足りなかった。
 試合終了後、川崎絢平監督は「(勝利が決まった瞬間は)本当に生徒がよく成長していると、感心しながら見てました。継投については、試合の中で流動的に臨機応変にと考えています。5回は2死からの連打だったので、後ろにつなぐという気持ちが良かったと思います。高校生らしい泥臭い守備が出来たと思います」。
 先発した太田投手は「継投になることは分かっていたから、京本にしっかり任せたので頼むことが出来ました。試合を作ることを考えて投げました。4回の連続三振は、あそこがポイントになると思いました。目指してきたのは『日本一』なので、絶対、日本一が取れるように頑張りたいと思います」とそれぞれ話した。
 明豊の決勝戦の相手は午後0時30分、神奈川県代表で最強豪の1校に列をなす東海大相模(春夏通算22回出場、優勝4回、準優勝3回)と対戦する。