朝見神社で第68回竹の感謝祭

大四海波を編む三原啓資さんとこじまちからさん

 別府竹製品協同組合(岩尾一郎理事長)は「第68回竹の感謝祭」を3日午前10時30分、八幡朝見神社で行った。同組合員や関係者らが出席した。
 組合員を代表して、大四海波献籃製作を8年ぶり2回目の竹細工職人の三原啓資さん(52)と、朝見神社社務所で展示している「おおいた竹アマビエ」の制作者である竹藝家のこじまちからさん(39)が行った。
 2人は、幅2・7㌢、長さ3㍍のマダケのヒゴ16本を力強くかつ手早く編み、幅55㌢、高さ40㌢の「四海波」を完成させた。それを見ていた出席者から大きな拍手が贈られた。
 続いて、2人が竹かごを奉納。岩尾理事長らが玉串を捧げた。また、岩尾理事長は「コロナ禍の中、非常に苦しい状況です。この祭りをもって、一致団結して困難に立ち向かい、コロナ禍が去るまでお互いに頑張り合う誓いが立てられたのではないでしょうか」とあいさつ。その際、みじん編みの名手と言われた伝統工芸士の岡崎忠則氏が亡くなったことにふれて、出席者全員で黙とうを捧げた。
 来賓の長野恭紘別府市長、組合顧問の岩屋毅衆議院議員、嶋幸一県議があいさつした。
 献籃製作をした三原さんは「今年で職人歴12年目となる。今までの竹に対する1つの節目。今後は、気持ちも新たに竹に向き合います」。
 こじまさんは「縁起の良い仕事。今年は色んなものが動いていく年になればと思っています。清々しい気持ちになりました」とそれぞれ感想を語った。
 竹の感謝祭は、昭和29年から続いており、伝統的工芸品産業の成り立ち、そして自然の恵みを匠の技で形作るものとして、竹に感謝し、先達をしのび、参加者の懇親を目的としている。
 「四海波」は、おめでたい席で謡われる謡曲にちなんだもの。四つ目編みを底にし、四辺を波の形に組み上げてまとめた籠。