「オット・エ・セッテ大分」梯シェフが金賞

「食のサスティナブルAWARD」で
金賞10組のうちの1人に選ばれた梯シェフ(中央)

 別府市井田の「オット・エ・セッテ大分」のオーナーシェフ・梯哲哉さん(48)が、「食のサステナブルAWARD」で上位10組に贈られる「SEEDS10サステナブル金賞」を受賞。19日午前10時45分、長野恭紘別府市長に報告をした。スタッフを代表して、衛藤祐輔さん(34)も同席。
 日本最大級の料理人コンペティション「RED Uー35」のスピンオフ大会として開催された。RED Uー35は、35歳以下の料理による大会だが、食のサステナブルAWARDでは、年齢制限はない。昨年12月23日から今年1月29日までの期間中、194件、113企画の応募があり、アイデアの実現性と可能性、熱意と行動力を評価し、10組が金賞に選ばれた。サスティナビリティ(持続可能性)をテーマに、情熱あるアクション、斬新なアイデアですべての人にインパクトを与え、未来の食の楽しみ、切り拓こうとする「挑む料理人」にスポットを当てている。
 梯シェフは福岡県出身で、19年ほど前に由布院に招かれてイタリアンの料理長として料理を振る舞っていた。その際、別府湾SAの料理長も兼任しており、別府の地獄蒸しなどについて興味を持った。「独立して店をやるなら別府市で」と思い、開業。その後、6年前から現在の場所で営業をしている。
 温泉の蒸気を使った「地獄蒸し」はもちろんのこと、温泉そのものを使った料理にも挑戦する。「パスタは温泉で茹でるととても美味しくなる」と話す。ソースとして活用するなど、様々な温泉を使った料理を提供している。
 今回、梯シェフがプレゼンしたのは「温泉資源の調理への活用」で、飲用許可のある温泉水の活用や自然の力を活用することで、光熱費の削減、ムダな資源を使わなくてすむというサスティナブルの考え方を提唱している。
 梯シェフは「日頃から温泉を使って料理をしていたことから、サスティナブルとの実感があった。認められてうれしいです。温泉を使うことで、ミネラル分が入るので、健康にも良いと思う。料理人として、ここでしか食べられない物を出したい。食材はもちろん、県産のものを使っています。まだまだ道半ば。温泉利用について、今後も研究していきたい。皆さんに食べていただきたい」と話した。
 長野市長は「今は求められるものが変わってきていると思います。別府で作ったものを楽しんでもらえるようにしていければと思います。別府にこだわった提供をしてもらいたい」と話した。