消防と県防災航空隊が合同訓練

地上で降下時の姿勢などの説明を受ける消防隊員ら
地上20メートルの高さでホバリングしている
防災ヘリ「とよかぜ」から
隊員がホイスト降下を実施した

 別府市消防署と県防災航空隊の合同訓練が25日午前10時、別府市中央浄化センターで行われ、市消防本部・消防署員15人、県防災航空隊員6人が参加した。
 昨年度採用などこれまで訓練に参加できなかった消防署員に、林野火災や山岳救助を行う可能性がある県防災ヘリコプター「とよかぜ」との訓練を経て、決まりごとを体感させる。また、災害が発生した場合に備えて、防災航空隊との迅速かつ的確な連携を図り、被害を最小限に留めることが目的。
 はじめに、航空隊員が県防災ヘリコプター「とよかぜ」の横で、消防署員らに誘導要領を指導した。また、ヘリコプターに乗り込む署員6人に対して、搭乗時の注意事項や隊員投入(ヘリコプターからの降下)時の体勢などを説明した。
 続いて、6人を3班に分けて、地上約20㍍でホバリングしているヘリコプターからの航空隊員と消防隊員が一緒に降りるホイスト降下訓練を行った。
 また、空中消火訓練として、400㍑を給水した消火バケットを取り付けたヘリコプターが飛び立ち、別府湾に放水した。
 宮﨑泰典県防災航空隊長が「訓練を通じて、航空隊にとっても良い訓練になったと感じています。現場でこのような訓練が役立つと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします」とあいさつ。
 髙橋尚敏別府市消防署長が「航空隊の皆さんから、市消防のために知識、技能、連携などさまざまな指導をいただいた。近年の災害は、時間、場所に関係なく全国各地で発生しています。国民が大きな不安に陥っている。今後、南海トラフ地震や首都直下地震などさまざまな想定がなされていますが、災害が発生したら今回訓練に参加した航空隊員や消防署員が各所に出動し、災害活動に尽力することになる。今回学んだ知識、技能、連携を思い出して、地上部隊、航空部隊が上手く活動をすることが市民の安全安心につながると確信しています」と講評した。
 訓練を終えた山根知也さん(25)=第1中隊本署第2小隊救助隊=は「ヘリは要救助者役で乗ったことはあるが、降下訓練で乗ったのは初めて。普段できない訓練が出来ました。ヘリの音が大きいため、声を出さずにジェスチャーでコミュニケーションを取り安全確認をする姿は凄いと思いました。山岳救助などで航空隊と連携することがあるので、これからも訓練を重ねていく」と話した。