別府市がインクルーシブ防災を推進

インクルーシブ防災への取り組みについて協議を行った

 別府市は「インクルーシブ防災」における難病患者等の医療的ケアを要する人の支援のための第1回ネットワーク会議を18日午後2時、上下水道局会議室で開いた。医療関係者や当事者、行政など17人で構成されている。
 別府市が進めてきた「インクルーシブ防災」は、障がいのある人もない人も、誰一人取り残さない防災を目指している。障がいのある人も一緒に地域の人と避難訓練をして、顔見知りの関係になることでお互いの理解が深まるなど「別府モデル」と呼ばれ、全国的にも注目をされている。
 「災害対策基本法等の一部を改正する法律」が施行され、個別避難計画の作成が市町村の努力義務化された。一方で、対象者が多いため、ハザードマップ上で危険な地域に住んでいて、介護を必要とする人など優先度の高い人から個別避難計画を策定するようになっている。別府市では約5500人が要支援者として登録されているが、自力で移動して避難することが出来る人も含まれているため、優先度をつけて策定を進めている。
 今回、別府市は内閣府が募集した個別避難計画作成モデル事業に応募。全国で市町村事業34団体、都道県事業18団体が選ばれた。別府市が取り組むのは「難病患者等の医療的ケアを要する方に関するもの」。
 これまで、福祉関係者と連携して障がいのある人の個別避難計画を策定してきたが、医療関係機関とは協働が出来てこなかった。誰一人取り残さない別府市を目指して、現在把握できていない難病患者や医ケア児・者について、必要な項目を協議して、支援をする仕組みづくりを目指す。最終的にモデル的に1人の個別避難計画を策定して、訓練を実施したい考え。
 協議では、医療的ケアを必要とする人が市内にどれぐらいいるのかなど、現状について関係者から話を聞き、意見交換をした。また、NPO法人さくらネットの石井布紀子代表理事が災害時の要保護支援の現状について話をした。今後は、オンラインも含めて協議を進めていく。