北部中で「スケアードストレイト」教育

北部中学生212人がスタントマンによる自転車
が事故に遭う交通安全教室を目の当たりにした

 JA共済連大分、大分県警交通部交通企画課、別府署が共催で「スケアード・ストレイト教育技法」による自転車交通安全教室を8日午後2時30分、市立北部中学校グラウンドで開催し、1、2年生計212人が参加した。
 「スケアード・ストレイト―」とはスタントによる交通事故を再現し、事故状況を体感して未然防止に役立てようというもの。
 工藤和典北部中学校教頭が「学校は自転車安全利用モデル校に指定されています。今回の教室は、皆さんにとても貴重な体験を与えてくれます。怖さや恐ろしさを体験し、自転車を利用する際に皆さんが『安全に乗らないといけない』という気持ちを高めてもらうものです。しっかり勉強して下さい」。
 藤田千浩JA共済連大分副本部長は「今日はスタントマンによる事故を見てもらいますが、事故はどのように起こるのか、どうしたら防げるのかを考えて下さい」とそれぞれあいさつした。
 続いて、後藤浩周別府警察署交通課長が「今年の交通事故は市内で約2600件発生しています。1日当たり9件から10件発生していることになります。中学生の事故は、県内で25件。違反をすればどうなるのかを、スタントマンの皆さんが再現します。今後の安全運転に活用して下さい」と交通安全講話を行った。
 スタントマンが交通事故を再現。時速40㌔で走行する自動車が、人形を乗せた停止している自転車の後方から衝突した。
 自転車が、携帯を使いながら運転、飲酒運転、並進走行、二人乗り、傘さし運転、ヘッドホン着用の6つの違反がいかに危険な状態なのかを実際に走行して、司会の男性がその危険性を説明した。
 見通しの悪い交差点で一時停止せずに交差点に進入した自転車に、横から走ってきた車が衝突。自転車を運転していた男性は、ボンネットの上を転がり、自転車は車に引きずられた。
 傘を差して前が見えにくい自転車と、携帯電話で話しながら走行している自転車に、逆走してきた二人乗りの自転車が、正面衝突。二人乗りの後方にいた男性が道路に飛び出し、車にはねられた。
 暗い道を想定して、無灯火の自転車2台が正面衝突した。
 トラックが左折時、男性が乗った自転車を巻き込んだ。自転車はトラックの下敷きになり、男性は転がりながらトラックから離れた。
 また、普通車やトラックの死角についても説明した。
 教室終了後、生徒会執行部の後藤彩女さん(14)=2年生=が「私たちのために、大がかりな準備、丁寧な説明をして下さり、ありがとうございます。おかげで、本当に貴重な体験をすることが出来ました。今日の講演で学んだことを活かして、事故に遭わないように気をつけていきたいです」と謝辞を述べた。