別府市立別府西中学校(杉原勉校長、492人)は29日午前8時40分から、開校以来初めての文化祭を開催した。
密を避けるため、学年ごとに合唱コンクール、映像視聴、展示見学の3つを時間を区切って行われた。生徒は、日頃の練習成果を発揮して、文化祭を楽しんだ。
閉会式では、同校の校歌を作曲した花岡優平さんが講演。花岡さんは別府市出身で、複雑な家庭環境の中で育ってきたことを明かし「中学の頃、先生に東京では奨学生制度をつかって住み込みで働きながら勉強が出来る制度があると聞き、夜行列車で東京に行った。新聞配達所に住み込み、悩んでいる時間もないほど働いていたけど、週に1度、夕刊が休みの時には不安な気持ちになって、趣味のギターを弾いた。その時は、一生音楽をやるとは思っていなかった」
「校歌を依頼されて、別府に戻ってきたら、別府という町が、子どもの頃に感じていたより、ステキに感じた。こんなステキな場所から逃げるように東京に行ったのだと愕然とし、この町に住みたいと思うようになり、1年前に別府に帰ってきました。最初は、校歌の歌詞も頼まれたのですが、長年、別府を離れている私が歌詞を書くのはどうかとお断りして、歌詞は公募にした。でも、今は、皆さんに届けたい詩があると気づいて、一度断った歌詞の部分を書いて“第2校歌”を作ってみました。聞いてほしい」と話した。
花岡さんが作った第2校歌「エール」を、歌手のゆあさみつるさんが歌い上げた。
生徒を代表して、文化委員長の廣瀬あかりさん(14)が「私たちは週に1度校歌を歌いますが、より深く理解して歌えるようになります。ステキな講演と歌をありがとうございました」とお礼を述べた。