第49回衆議院議員選挙は10月31日、投開票が行われた。全国的には、自由民主党は前回より議席を減らしたものの、261議席で単独で絶対安定多数(すべての委員会で委員長を独占し、委員を半数以上送り込める人数)を獲得。連立を組む公明党は、候補者をたてた9の小選挙区すべてで当選を果たし、前回よりも多い32議席となった。
一方、政府の新型コロナウイルス対策を批判し、政権交代を訴えた野党は、小選挙区では各地で統一候補をたてるなど、野党共闘で自公に対抗。第1党の立憲民主党は選挙前より50議席以上の上積みを狙っていたが、議席を減らし96議席に。共産党も2議席減らし10議席となった一方で、日本維新の会は4倍近い数を増やして41議席、国民民主党、れいわ新選組ともに議席を伸ばし、社会民主党は1議席を死守した。
大分1区では無所属で前職の吉良州司氏(63)が9万7117票で自民党新人の高橋舞子氏(33)、日本共産党新人の山下魁氏(44)、NHKと裁判している党弁護士法72条違反で(以下N党)の新人野中美咲氏(25)、無所属の西宮重貴氏(43)を破り、強さを見せた。
最後まで接戦が続いた2区は、自民党前職の衛藤征士郎氏(80)が7万9433票で、654票差の7万8779票を獲得した立憲民主党前職の吉川元氏(55)に競り勝った。吉川氏は比例で復活当選を果たした。
別府市を含む3区は、8回目の因縁の対決となったが、自民党前職の岩屋毅氏(64)が10万2807票を獲得し、立憲民主党の前職の横光克彦氏(77)に2万9648票差をつけて当選をした。横光氏は、比例区での復活に期待を託したが、惜しくも届かず、落選となった。
別府市出身で衆議院議員を8期務めた岩屋毅氏(64)=自民党、前=は、第49回衆議院議員総選挙の大分3区小選挙区で勝利し、9期目を決めた。
支持者、選対役員、スタッフら約100人が集まった市内のホテルでは午後8時、当確情報が流れると、歓声と拍手が会場に響いた。午後8時5分ごろ、岩屋氏が支援者らとグータッチをしながら入場し、知子夫人と一緒に壇上に立った。
嶋幸一総合選対本部長(県議)が「今回の選挙は、コロナ禍ということで非常に難しい選挙でした。この選挙、この戦いを制することが出来たのも多くの皆さんの温かい支え、力強い支援のおかげでございます。3区の県議会議員の皆さんには、地元の陣営をしっかりと引き締めて、最後まで粘り強く戦っていただきました。幸重後援会長、中尾あおぞら会会長をはじめ、多くの後援会、支持者の皆さんには全力を尽くしていただきました。友好団体、支援団体の皆さんには、これまで以上の取組をしていただきました。友党公明党にも今回も力強いご支援をいただきました。地元の自民党別府市議団は、かつてないほどの団結力を示していただきました。すべての皆さんにお礼申し上げます」とお礼のあいさつ。
次いで、公明党を代表して河野成司大分県本部代表(県議)が「今回の衆議院議員選挙、まさに政権選択と言われながら、私たちは本当に政権選択の選択肢は示されているのかを訴えてきました。野党の言っていること、実現性のないものばかり述べて、自公に取って代わるとは本当におこがましいと私は考えています。岩屋代議士が、これを実証してくれました。今後も自公が連立して政権運営が出来るように頑張っていきます」。
奥塚正典・中津市長は「皆さんの頑張りで、こんなに早く当確が出ました。岩屋先生は、地方の声を国に届けていただく、我々が抱えている地方の課題をしっかりと国政の場で実行していただく、そういう力を持った先生であります。引き続き、大分県のため、県北のため、大分3区のためにご活躍をいただくことを祈念しています」とそれぞれあいさつした。
勝利に湧いた会場で岩屋氏は「大分3区の有権者の皆さんの御信任をいただいたということは、大変栄誉なことでございますし、改めて責任の重大さを感じています。今回の選挙は、これまでに例がない短期決戦でありました。また、ウィズコロナの戦いでもありました。当初、十分な戦いが展開できるか一抹の不安がありましたが、皆さんの力強いお支えのおかげで、戦い抜くことができました。改めて、厚く御礼申し上げます」と述べると、会場から大きな拍手が起こった。
「コロナからの脱却が最優先事項だと、この選挙戦を通じて一貫して訴えてきました。多くの有権者の皆さんが、その訴えに応えていただいたんだと思います。この上は、あらゆる手段を尽くして一日も早いコロナの完全収束のために全力を尽くしてまいります。それと同時に、このコロナ禍の中で傷んだ地域の経済をしっかりと立て直す。安心と活力を取り戻すため、全力を尽くしていく決意です。今回、地域を回って改めて思ったのは、人口減少、少子化、防災、減災の重要性。これらの課題にも全力を尽くしていきます。厳しい安全保障の中で、日本の平和を守り、我が国の領土領空領海を守りぬくことをこれまでの経験を通して取り組んでまいりたいと思います」と決意を述べた。
「自民党改革として、もっと透明性の高い党に、国民の声が反映される党の改革に向けて引き続き全力を尽くしていきます。必ず、負託に答えることを誓います」と結んだ。
このあと、3区首長を代表して長野恭紘別府市長もあいさつした。
当選を祝して、岩屋氏、知子夫人、嶋総合選対本部長、長野市長、自民党別府市連、支持者、スタッフらが壇上に上がり、幸重綱二・岩屋たけし連合後援会長の発声で「万歳」を三唱。続いて、後援会、遊説隊、別府市連などから花束が贈呈された。
岩屋氏は、支持者ら一人ひとりとグータッチを交わし喜びを分かちあった。