別府商議所青年部の経営講演会

講演する青木英剛スペースポートジャパン理事
経営講演会に先立ち行われたコズミックカレッジでロケットを飛ばした

 別府商工会議所青年部(河原未絵会長)は第39回経営講演会「『新価創造』~宇宙、その未来(さき)へ~」を6日午後4時15分、別府市立西中学校体育館で行い、約250人が出席した。
 河原会長が「宇宙への玄関校が開いているというリアルを感じてもらい、未来へ向けた希望や視野の広がりなど、今後の糧にして下さい」とあいさつ。
 第1部の基調講演は、スペースポートジャパン理事の青木英剛さんが「宇宙、その未来(さき)へ」をテーマに行った。
 はじめに動画で、大分県に出来る宇宙港について「いよいよ2022年、大分県に宇宙港が誕生します。20年4月2日、大分県と航空機からの人工衛星打ち上げを目指してきた米企業ヴァージン・オービットが、大分空港の水平型宇宙港活用に関するパートナーシップを締結しました。3千㍍級の滑走路があり、打ち上げ用ジャンボジェットが離着陸可能な滑走路を所持している。また、長い歴史のある地域産業として、自動車産業や精密機械産業に携わる企業が集積しているため、ロケットや人工衛星の部品生産やメンテナンスに地元企業の技術を活用が可能。そして豊富な観光資源がある。これは世界各地にある宇宙港とは異なる点。別府温泉や由布院温泉などの観光資源には、将来的に打ち上げ事業者、エンジニア、宇宙旅行へ向かう旅行者や見学者など多くの集客が予想される」と説明があった。
 続いて、青木さんが「宇宙ビジネスの市場規模は19年で約44兆円、40年までには100~150兆円まで成長することが期待されている。宇宙ビジネスにおける4つの大きなトレンドになるのは、宇宙ビッグデータ、宇宙インターネット、宇宙旅行、惑星調査が挙げられる」と話した。
 スペースポートジャパンが20年6月にスペースポートシティ構想を発表した。スペースポートシティで出来ることは▽宇宙に行く=宇宙旅行サービスそのものと、それに付帯する施設やサービスなど▽宇宙にふれる=宇宙旅行者の家族・友人はもちろん、宇宙旅行者とは直接関係がない人もここで楽しめるように、宇宙旅行を感じられるさまざまなサービス・アトラクションなど▽未来で遊ぶ=産業を広げていくために、宇宙旅行との距離はあっても、宇宙と関連し未来に向けた産業創造につながるもの―と説明した。
 第2部のパネルディスカッションは「宇宙ビジネスで大分はどう変わるか」をテーマに、ファシリテーターを荒金由希子さん、パネリストを長野恭紘別府市長、青木さん、高濱航大分県商工観光労働部長、河原会長の4人が務めた。
 また経営講演会に先立ち、市内の小学生を対象とした「コズミックカレッジ/ドローン・プログラミング」を実施。
 コズミックカレッジは24人が参加し、講師の大分市生涯学習施設関崎海星館の川田政昭さんと清水清美さんがロケットの歴史やイフシロンロケットとH2Aロケットの違いなどを説明した。校庭でロケット打ち上げ実験、体育館で工作したバルーンロケットを飛ばす実験を行った。市内の小学3年男児は「楽しくて勉強になりました。みんなでロケットを飛ばしたことが楽しかった。校庭でロケットの発射ボタンを押したとき、ドキドキした」と話した。
 ドローン・プログラミングは12人が参加し、トイドローンを飛ばすなど体験した。