原田孝司県議の一般質問

一般質問に立った原田県議

 ▽予算編成について

 今年度当初予算は前年度に比べ7・3%増の「積極型予算」で、前年度を上回るのは8年連続。当初予算が7千億円を超えるのは実に20年ぶりで、これは、防災・減災や人口減少など従来の課題に加え、新型コロナウイルス感染症対策と経済の再活性化に取り組むためとのこと。
 歳入面でも、政府は自治体が借金をして国が実質的に返済する臨時財政対策債の発行可能額の増額を認めるなど、2021年度の当初予算編成は財源構成がこれまでとは大きく違っている。
 歳入部分の編成をどのように考えて取り組むのか。

広瀬勝貞大分県知事
 通常予算で重要となるのは一般財源総額の確保である。コロナ禍で大幅な減収が心配された県税収入は、今のところ堅調に確保できる見通しだが、今後の情勢の変化も注視しながら、的確に見積もっていく必要がある。
 年末に示される国の地方財政対策を踏まえ、慎重に見込みを立て、編成を進めていきたい。

 ▽おんせんツーリズム戦略について

 地域振興と観光振興を一体的に進める第3期ツーリズム戦略は今年度で終了します。
 現在、新型コロナウイルスの感染状況も落ち着きを見せ始めているが、第3期の取り組みをどのように総括し、第4期となる来年度からの取り組みを進める上で、どのようにツーリズム戦略に反映をしていくのか。
 また、リスクマネジメントは危機状態に対し、機敏に対処することが観光地のブランドイメージを守ることにもつながる。
 今回、これまでのツーリズム戦略で触れられていなかった危機状況として、「感染症」をどのように位置づけるか。

広瀬知事
 11月26日「いい風呂の日」に発表された「全国温泉県イメージランキング」で、本県が第1位に選定された。これからも新たな魅力の発掘、観光産業の一層の基盤強化や効果的な情報発信を推し進め、大規模観光キャンペーンの誘致など攻めの誘客を展開したい。
 感染症等の危機に大きく影響を受ける観光産業のリスクマネジメントの重要性を再認識した。リスクを平常時から想定し、発生時の影響を最小限に抑え、早期回復できるよう準備する必要がある。今後、観光関係者や有識者の意見を踏まえ、より適切なリスクマネジメントのあり方を検討したい。

 ▽教育行政について

 教員の不足、とりわけ県下の小中学校での教員の不足は近年、とても大きな問題となっている。4月8日の始業式時点で小学校11名、中学校21名の計32名が欠員となっている、昨年は始業式の時点で26名の欠員。
 教育事務所に相談しても「学校で探してください」と言われると聞いている。
 教員不足の現状と対策を尋ねるとともに、大分県教育委員会で教員不足に関する対策チームを作り、解決策を探っていくべきだと提案した。
 「第3次大分県特別支援教育推進計画」について、内容とこれからのスケジュールを質問した。

岡本天津男県教育長
 新聞や広報誌、HP等などに臨時講師登録の呼びかけや採用試験受験者に募集チラシを配布するなど、臨時講師の確保に向けた取り組みを行ってきた。引き続き、人材確保に向け、最大限対応していきたい。
 採用試験では、小中学校連携教諭を拡充するとともに、実技試験の見直しや第3次試験の集団討論の廃止など、受験者の負担軽減を図ることとした。

 ※残念ながら、教員不足について教育委員会は危機感を持っているのだろうかと感じた答弁。教職に就くと申請できた「奨学金返済免除制度」(2004年に廃止)の復活等の具体的な対策が必要だと思う。

 ▽ダイバーシティーについて

 人には、生まれつきのものや自分の意思で変えることが困難なものとして、性別、年齢、人種・民族、出身地、国籍、身体的特徴といった違いがある。内面的な違いとして、宗教、職務経験、収入、働き方、コミュニケーションスタイルなどがある。
 その違いを個性として捉え、認め合う社会にしていこうというのがダイバーシティ社会の考え。
近年企業ではダイバーシティに対する意識が高まっているが、自治体においても、住民誰もが個性と能力を発揮でき、住みやすくて働きやすい環境があれば、それが地域の活力につながり、住民の定着も期待できるのでは。
 ダイバーシティ社会の推進は不可欠だと考え、県としての姿勢を、また全国で拡大している同性婚の方々のパートナーシップ制度やそれに伴うファミリーシップ制度の導入について。
 さらに別府市にある県立翔青高校で実施されている帰国・外国人生徒特別入学者選抜について、実施校の拡大と、多言語対応、当該学校への教職員の増員の必要性を。

岡本教育長
磯田健県生活環境部長
 ダイバーシティ社会づくりを進める県の姿勢を一層明らかにするため、現在、「人権尊重社会づくり推進条例」の改正を検討中である。
 高校入試における多言語対応は、入学後の学習保障にも関わる問題であり、学校の体制強化とセットで進めていく必要がある。他県の入試の状況、本県の日本語指導が必要な児童生徒数の推移等も鑑み、研究を重ねたい。