市消防本部が杉乃井ホテルに感謝状

感謝状を受けた杉乃井ホテル&リゾート(株)の
廣瀬英司アトラクション・温泉部マネージャー(前列中央)

 別府市消防本部は人命救助功労者に感謝状を7日午前11時、同本部消防長室で贈った。
 被表彰者は、赤穂昌則さん(61)、優さん(30)=いずれも北九州市小倉北区=、杉乃井ホテル&リゾート株式会社。赤穂さんは県外のため、出席せずに感謝状を郵送する。杉乃井ホテル&リゾート(株)からは廣瀬英司アトラクション・温泉部マネージャー(61)が出席した。
 功労は、今年1月6日に杉乃井ホテル棚湯男風呂に赤穂昌則さんが入浴していたところ、入浴客(87)がうつ伏せで浴槽内に浮いていた。初めは潜っていると思ったが、20秒ほど経過しても動く気配がなかったため、声をかけるが応答がないために異変に気付いた。その場に居合わせた入浴客数名で浴槽から引き揚げた。赤穂昌則さんは他の入浴客に助けを呼ぶよう伝え、赤穂優さん、他の入浴客の3人で胸骨圧迫などの心肺蘇生活動を開始した。
 通報を受けた同社アトラクション・温泉部温泉課員の佐藤通さん(62)=別府市馬場=と大野誠さん(41)=大分市賀来西=が現場に到着。状況を確認した大野さんが同部部長の瀬口英三さん(60)=別府市原町=と課長の糸永敦さん(55)=浜町=に電話で緊急事態の連絡をした。
 その後、AEDを持ってきた温泉課員の徳永昌信さん(54)=大畑=、瀬口さん、糸永さん、同部救護課員の小原久美子さん(55)=大分市金池町=と衛藤一子さん(59)=由布市湯布院町川上=が現場に駆けつけた。
 糸永さんが119番通報し、佐藤さん、大野さん、瀬口さんは消防車両の誘導へと向かい、衛藤さんがパルスオキシメーターを使い傷病者の血中酸素飽和度と脈拍を測定、小原さんがAEDのパットを装着した。「ショックが必要です」とのメッセージが流れたため、徳永さんがAEDのボタンを押して電気ショックを一度実施した。
 電気ショック後も意識が回復しなかったため、赤穂昌則さん、優さん、徳永さんによる胸骨圧迫や人工呼吸の心肺蘇生活動が行われ、救急隊が到着後、傷病者は直ちに車内収容され市内の病院に救急搬送された。傷病者はその後、搬送先の市内の医療機関を退院し、地元の医療機関で治療を行った。
 感謝状を手渡した須﨑良一消防長は「ホテルの棚湯で傷病者が心肺停止となって、ホテルの従業員と入浴客が力を合わせて、AEDを使用して心肺蘇生法を行っていただきました。救命措置のお手本となるような活動です。勇気ある行動が傷病者の命を救い、救命の連鎖として救命講習で紹介したいと思います」と謝辞を述べた。
 記念撮影後、廣瀬マネージャーは「ホテルとしては当然のことをさせていただいただけですが、日ごろから訓練をさせていただいた結果がお客さま皆さんのお役に立てたなら光栄です今後はスタッフの巡回の強化と、適切な対応が出来るように訓練を積み重ねていきます」と話した。