別府翔青高校で自転車交通安全教室

見通しの悪い交差点から出てきた車が自転車と衝突した
トラック左折時、内輪差で起きる事故を見る生徒ら

 JA共済連大分、大分県警本部、別府警察署が共催で交通事故の発生原因を実地で検証できる「スケアードストレイト教育技法」による自転車交通安全教室を10日午後3時10分、大分県立別府翔青高校第1グラウンドで開催した。1年生241人、2年生237人が参加した。
 別府翔青高校では全校712人のうち158人(約22%)が自転車通学している。
 後藤秀徳校長が「『目標に向かって本気で頑張る』ためには、みんなが安心安全、健康に毎日過ごすことです。一生懸命聞いて、自転車に乗っている人も乗っていない人も、加害者被害者にならないように勉強して下さい」。
 藤田千浩JA共済連大分県本部長は「皆さん、日ごろ交通安全を意識して自転車を運転していますか。近年、自転車の事故が多発しています。一瞬にして加害者になるし、被害者にもなる。自転車も車と同様に守らなければならない交通ルールがあります。スタントマンが事故の再現をするので、なぜ起きたのか、どうすれば防げたのかを考えて下さい」とそれぞれあいさつした。
 交通事故の現場として▽時速40㌔で走行する自動車が、人形を乗せた停止している自転車の後方から衝突▽携帯を使いながら運転、並進走行、ヘッドホン着用などの違反をしながら走行した自転車と車の衝突▽見通しの悪い交差点で一時停止せずに飛び出した自転車と原付バイクが衝突▽左折するトラックが内輪差で自転車を巻き込む▽左折する普通自動車の死角に入った自転車が横断歩道上で衝突▽自転車が見通しの悪い交差点に進入した車と衝突―の6つを再現した。
 巻き込み事故で、トラックの下敷きになったスタントマンを助け出す際は、目をそらす女子高生の姿もあった。
 事故再現終了後、生徒会長の安田知世さん(16)が「分かりやすく教えていただき、自分たちのためになりました。自転車に乗る際は、今日学んだことを活かしたいと思います」と謝辞を述べた。
 昨年、自転車事故は大分県内で319件で負傷者319人、うち高校生は79件79人。別府市は33件33人(4人4件)が発生している。
 今年に入り3月末までには県内69件71人(高校生17件17人)、別府市6件6人(高校生はなし)となっている。