南こうせつさんふるさとへの思い伝える

地元コンサートで歌う南こうせつさん
南さん作曲の「おかえりの唄」を演奏する杵築高校吹奏楽部

 杵築市在住のシンガーソングライター南こうせつさん(73)が13日午後6時、杵築市文化体育館で「おかえりの唄コンサートin杵築」を開催。地元でのコンサートは7年ぶりで、会場は満員の大盛況だった。
 「おかえりの唄」は、コロナ禍」の暗いムードの中、音楽の力で、全国の人に元気になってもらいたいと、杵築市に無償提供した曲。JR杵築駅の列車到着の時に流れる曲や、市内40カ所から流れる夕方のミュージックチャイム、市役所の電話の保留音として活用。杵築市のケーブルテレビ「杵築ど~んとテレビ」が制作した市のプロモーションビデオが、「第15回ベストプロモーション大賞」で準グランプリを受賞した。
 コンサートでは、最初に大分県立杵築高校の吹奏楽部が「おかえりの唄」などを演奏し、盛り上げた。永松悟杵築市長も登場して「41年前から市民として様々な協力をいただいています。コロナ禍で、帰りたくても帰れない人に寄り添う曲を提供していただきました。市民に愛される歌にしていきたい」とあいさつ。
 コンサートでは、かぐや姫時代のヒット曲「神田川」や「赤ちょうちん」、「妹」などの名曲から、今回のタイトルにもある「おかえりの唄」も披露。全15曲を歌った。変わらぬ伸びやかな声に、訪れた人たちも大喜びで、大きな拍手を送った。
 コンサート前に取材に応じた南さんは「ここは住んでいる場所なので、仕事をするのは、気恥ずかしい」と照れながらも「歌手生活50周年を超えて、年齢のこともあるし、声が出るうちに杵築でコンサートがしたかった」との熱い思いも。「『おかえりの唄』は、市民とのつながりをすごく感じる歌だと思う。市役所に小学生から『5時の時報でこの歌を聞くとホッとする』という手紙をもらったと聞いて、思いが届いたのを感じた。『おかえり』というのが、杵築のイメージ。コロナ禍で癒しになれば、こんなにうれしいことはない」と笑顔で話した。